ヒット曲「パプリカ」をリモート演奏をした動画が話題になったオーケストラが、緊急事態宣言の解除を受け、演奏会を再開した。

演奏には、オーケストラ解散の危機を乗り越えようとする演奏家らの、熱い思いが込められていた。

ステージの上で息の合った演奏を見せる、東京・墨田区を本拠地とするオーケストラ「新日本フィルハーモニー交響楽団」。

この楽団といえば、幅広い層の支持を集めたヒット曲「パプリカ」のリモート演奏。

新型コロナの影響でコンサートの中止が続いた2020年4月、この動画を配信したところ、再生回数が220万回を超え、大きな話題になった。

10日、緊急事態宣言が解除されて以降、初めて本拠地での演奏会に臨んだオーケストラ。

パプリカのリモート演奏を企画した1人で、トロンボーン奏者の山口尚人さんは。

副首席トロンボーン奏者・山口尚人さん「(コロナ禍で)もしかしたら、これで解散になってしまうかもしれないという中、たくさんの方に、わたしたちのことを応援していただいたと、そこに尽きるかなと」

そうしたファンの期待に応えるため、楽団側は、さまざまな感染対策に取り組んだ。

例えば、楽団員が座るいすといすの間隔を通常より広げたほか、指揮者はフェイスシールドでリハーサル。

観客席は、前後左右に1席ずつ空けた。

そして迎えた本番。

ベートーベンのピアノ協奏曲に加え、ブラームスの交響曲と、およそ90分にわたるプログラムを熱演。

指揮・尾高忠明さん「やっとトリフォニー(本拠地)に、新日本フィルが戻ってきました。きょうは本当に“たくさんに見えるお客さま”で、とても幸せです。ありがとうございました」

観客「皆さんがすごくうれしそうに演奏していたし、とっても良かったと思います」

コンサートマスター・西江辰郎さん「どのくらいの数の方が、リスクを冒してまで会場に足を運んでくださるか、すごく心配ではあったんですが、本当に温かく迎えていただいて、とてもうれしかったです」

万全の対策を取って実現した演奏会。

同じ空間で音楽を楽しむ、至福の時が流れていた。