異例!開業前にランキング2位

本日6月21日、東京・お台場に、世界に類を見ない常設ミュージアムが誕生する。

“ウルトラテクノロジスト集団”を自称するチームラボが森ビル株式会社と共同で運営する「森ビルデジタルアートミュージアム:エプソン チームラボ ボーダーレス」というデジタルアートミュージアムで、10,000平方メートルという巨大な空間に、世界初公開作品を含む約50作品が展示されている。

6月に入って報道陣などに対する内覧会が行なわれたことから様々なメディアやSNSで取り上げられ、注目度が急上昇。

子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」で6月15日に更新された週間人気ランキングでは、開業前にもかかわらず第2位にランクインされる注目ぶりとなっている。

「ボーダレス」がコンセプトで、展示作品には他の作品と境界がなく、自分の動きや時間とともに作品が変化していくのが大きな特徴。例えば、「呼応するランプの森」と呼ばれる作品は、時間とともに、自分が近づいたりしても色や明るさが変わるようになっている。

館内の全ての作品が撮影可能。広大なミュージアムは順路もなく、作品はどんどん動いていくので、自分がいまどこにいるのかわからなくなってしまう。

触ると動く体験型の展示が多く、大人も子供も時間が経つのを忘れて楽しんでしまう仕掛けが随所にみられる。

共同で運営する森ビルも「東京が世界からヒト・モノ・カネ・情報を惹きつける『都市の磁力』を高めるような施設」と自信を見せる。

このデジタルアートミュージアムにかける想いはどんなものなのか。チームラボ代表の猪子寿之氏がその魅力や楽しみ方などを語った。

チームラボ 猪子寿之代表

「来場者とともに新しい世界を創っていく空間」

「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless」ですが、500台以上のパソコン、500台近くのプロジェクター、1万平方メートルという本当に広いスペース、複雑で一体的な空間がコンセプトの世界です。そして、この境界のないアート群による一つの世界に迷い込んでさまよい、没入し、そして自らの身体で探索し、発見していく、そのような世界です。

この世界は刻々と変化していきます。通ってきてくださった「花の森」と呼んでいる森は季節の移ろいがあるような空間で、5分後には全く違う景色になっています。

花の森

また、奥にある里山をモチーフにした空間は、現実の世界を現実の時間とともに移ろうものになっていて、きょうは6月なので稲穂は緑色かもしれませんが、秋に皆さんが来られると黄金色になっていて、現実の世界とともにゆっくりと移ろっている世界です。この世界は刻々と時間とともに変化しています。

時間が経つと、たんぽぽの綿毛が舞った

皆さんが通った森は、実は皆さんが歩いたり触ったりすると一斉に咲き渡り、散ってしまいます。逆にじっとしていると、普段よりもたくさん咲いたりします。ここにある滝は、皆さんの存在によって水の流れが変わっていきます。ずっと立っていると水が避けていったり、花が咲き渡ったりします。

左右の壁は書が降ってきて、書に触れると、文字が持つ世界がこの空間に広がったりします。この世界はここにいる人々とともに新しい世界を創っていく世界とも言えます。

このチームラボボーダレスは境界のないアート群と言いましたが、境界のないアートとは何かというと、それぞれ独立している生き物と変わらず、境界が曖昧で、例えば部屋から作品から出て移動しはじめ、他の作品とコミュニケーションを取り、時に他の作品に部屋から出ていってもらい代わりの部屋に入ったり、時には混ざり合い、影響を受け合ったりする作品です。

例えば空間で体験するカラスの作品があるのですが、空間から出て、いま飛んできましたが、会場を飛び回り、他の部屋に入っていき、他の部屋に入るとまた違う作品になっていくというようなものなので、カラスが飛ぶことでここにある書が持つ世界が広がったり、逆にカラスが飛ぶことで花が散ったりします。

このように作品は他の作品と境界がなく、そして人々との境界をなくし、人々を世界に没入させ、人々の他者との境界を連続的なものにしていく。そのような作品群による境界なくつながっていく一つの世界。それがチームラボボーダレスです。

「世界のどこかを見れたらば、どこかは見れない」

僕らチームラボは集団的創造によってというコンセプトで、2001年からデジタルアートという新しいアートを創っています。2002年ごろにはチームラボとして様々な仕事をして、貯まったなけなしのお金をすべて使ってディスプレイを5つ買って今のような作品を作ったりしていました。

当時僕のことを非常に高く買ってくださった理解者の方がいて、その方は先日、Yahoo!の常務になられたんですが、その人にその作品を見せると、「お前は屏風屋になりたいのか?意味が全く分からない」と言われたのを覚えています。

今回、奥の部屋で透明のディスプレイで踊っているおじさんたちがいるんですが、そのおじさんたちが出てきて、この会場を歩き回る作品があるのですが、それは2004年の時のディスプレイ5つの作品のリメイクした作品です。もちろん屏風屋になりたかったわけではなかったわけです。できれば人々の固定観念を踏み外し、世界の自分との境界、他者との境界を外し、人々の価値観をほんの少しだけでも広げることを、ほんの少しだけでもできたらと思っています。

2020年に向けて東京を訪れる多くの方に、この街を好きになってもらうきっかけの一つになったら幸せと思っています。

皆さんが長らく応援してくださったおかげで、こんなめちゃくちゃなことをやらせてくださって、本当にありがとうございます。そして15年前、屏風と言われたものがこうなったように、ここはもしかしたら今は意味がわからないような場所かもしれませんが、未来において何かにつながっていく、そのような場所にしていけたらと思っています。

風景もどんどん変わるし、作品も移動していったりするので、本当に何か目的を持って、順路通りに見ていくと言うよりは、迷い込んで、さまよって、さまよいながらも自らの身体で探索し、何かを発見していく体験をしてもらえたらいいなと思っています。

例えば、おじさんたちが部屋から出てくると、逆にその部屋には違う作品が入るんですね。おじさんを追いかければ部屋の新しい作品は見れないし、歩いていくおじさんたちもいろんな方向に分かれていくんですね。方向ごとに色んな物語があるんですが、どこかを追いかければ、逆にどこかは見れない。

世界のどこかを見れたらば、どこかは見れない。そういう風になっている。本来、世界はそういうものだと思います。