11月20日、警視庁は“私人逮捕系YouTuber”として活動していた中島蓮こと今野蓮容疑者(30)と、動画の共同制作者とみられる「みっちー」こと奥村路丈容疑者(28)を逮捕しました。

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中島容疑者らは、薬物所持の逮捕現場を撮影するために他人をそそのかし、覚醒剤を買ってこさせた疑いが持たれています。

なぜ、“私人逮捕”を行っていた側が、皮肉にも公権力に逮捕される事態になったのか。「めざまし8」は、その友人を取材しました。

友人語る「越えてはいけない一線を越えた」

逮捕前に行われたフジテレビの取材には、「本当に撲滅活動をしたいからやってきて、全力でやってきて、本当に日本で1番やったと思います。これまでの社会で、私の知る限りでは、そこを負けたくない」と語っていた中島容疑者。

中島容疑者らが立ち上げたYouTubeチャンネルの「ガッツch」は、登録者26万人超え、「痴漢撲滅」などを掲げ、動画の投稿を繰り返してきました。

煉獄コロアキこと杉田一明容疑者(左) 中島蓮容疑者(右)
煉獄コロアキこと杉田一明容疑者(左) 中島蓮容疑者(右)

逮捕のきっかけとなった8月に投稿された動画には、インターネット掲示板で女性を装い「一緒に覚醒剤を使おう」と男性をそそのかしてJR新宿駅に呼び出した後、同じく逮捕された“私人逮捕系YouTuber”の煉獄コロアキこと杉田一明容疑者と共に、110番通報を受けて駆けつけた警察に対して、「所持品検査お願いします」と詰め寄る様子が映っていました。

「めざまし8」の取材に答えてくれたのは、中島容疑者と共に、犯罪撲滅を掲げYouTube動画に出演していた、自称・犯罪撲滅活動家のフナイム氏。今回の逮捕に関して…。

自称・犯罪撲滅活動家 フナイム氏:
私、中島さん(今野容疑者)とは友人関係にあったので、今回の逮捕の一報を受けた時は、非常に残念だなというふうに感じたのが正直な気持ちです。

フナイム氏は逮捕に至った動画には関わっていないといいますが、友人として痴漢パトロールなどを共に行ったこともあります。

自称・犯罪撲滅活動家 フナイム氏:
(中島容疑者は)信念がすごく強い人ですね。自分がこうと決めたら、これをやり遂げる。すごく芯の強い生き方をしているなという感じが僕は見受けられます。
犯罪被害者を減らしたい、犯罪を減らしたいという気持ちがあって…。だけれども、越えてはいけない一線があって。その越えては行けない一線を今回、越えてしまったから逮捕に至った。もう少し立ち止まって考えることができなかったのかなと。

収益目的の“私人逮捕”

めざまし8のスタジオゲスト陣は、度重なる“私人逮捕系YouTuber”の逮捕について、こう話します。

鈴木円香氏:
引っかかりますよね。犯罪を撲滅したい、痴漢をなくしたいという思いはまず分かるかもしれないですけど、その手段がYouTubeで撮影して上げるということなのかなと。そこはやはり収益を上げることの方が主目的だったんじゃないのかなと勘ぐってしまいますよね。

――収益目的でやっている行為が「みんなのため」といわれても、私人逮捕のイメージが悪くなりますよね?

大空幸星氏:
まさにそこで、やっぱり別なんですよそこって。
例えば今痴漢が電車の中であったりすると、(被害者は)本当に声を上げられなくなって、しかも周りに見て見ぬふりをされてしまう…。関わりたくないと思われる方も多いと思うんですね。
だから実際そういう現状はあるわけで、多くの人たちが痴漢とかそういう犯罪を目にしたときに、ちょっと手助けをしてあげるとか、「何やってるの」と言うとか、それくらいのことって本来あってもいいと思うんです。だけど、それを動画で撮って収益目的化していくと。そういうことって全くの別行為で。
そもそもみんなで声を掛け合って、犯罪被害者を助けていこうというような、本来の私人逮捕みたいなことの概念、目的をどんどん遠ざけてしまっているワケです、この人たちの行為は。だから糾弾しなければいけないと思いますね。

――いい形で私人逮捕ができないから“犯罪をつくる”というこの行為、どう思いますか?

立岩陽一郎氏:
本当に犯罪を誘発したわけですよね。これね、警察だって人を逮捕するというのは、かなり抑制してやっているわけですよ。そんな一般人が「俺の社会正義だ!」って言って、暴走していいものではないということは、これを見て自分もやってみたいと思っている人がいたら、やめてほしいですね。
(「めざまし8」11月21日放送より)