北朝鮮の「人工衛星」打ち上げの通報に対し、岸田首相は21日朝、「国連安全保障理事会の決議違反だ」と非難し、「不測の事態に備えて万全を期す」と強調した。
岸田首相:
「人工衛星の打ち上げを目的とするとしても、弾道ミサイル技術を使用するならば、一連の国連安保理決議違反であります」
官邸に入る際に記者団の取材に応じた岸田首相は、地上配備型迎撃システム「PAC-3」の部隊の展開など、「必要な態勢を構築している」として、「情報の収集・分析に万全を期す」と強調した。
海上保安庁によると、北朝鮮の通報で衛星打ち上げの期間は、22日の午前0時から12月1日の午前0時まで。
ロケットが落下する地点は、8月と同じ黄海、東シナ海など3カ所を指定していることから、日本の南西諸島の上空を通る軌道とみられる。
複数の防衛省関係者は、過去の例から“初日の22日にも発射する可能性が高い”との見方を示し、現地の天候から、「あすならば早い時間帯に打ってくるのではないか」と話す幹部もいる。
一方、2度の失敗をふまえ、「もう失敗はできないので、天候を見極めたうえで最終判断するのではないか」と分析している。