県道の拡幅工事予定地にある熊本市の住宅について、熊本県は、強制的に建物を解体する行政代執行を11月14日に再開した。

この建物の住人は、「代執行が行われるまで、熊本県や熊本市からは何の連絡もなかった」とする一方、熊本県の担当者は「そのようなことはありえない」と反論している。

熊本県内初 現住建造物の行政代執行

熊本県の職員による宣言で、土地収用法に基づく行政代執行が再開したのは、2人が住んでいる熊本市中央区の木造2階建ての住宅1棟だ。

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この住宅の土地約77平方メートルのうち約33.9平方メートルは、熊本市が進める熊本都市計画道路事業・坪井龍田陳内線の一部で、県道の拡幅工事などを行う予定となっている。

これまで熊本市は所有者と用地交渉を続けてきたが応じてもらえず、熊本市から請求を受けた熊本県が10月に行政代執行に着手し、11月14日に作業を再開した。

行政代執行の再開宣言から約50分がたったころ、家具などの搬出に向け熊本県や熊本市の職員が住宅へと入っていき、14日は移転のための家具や家電の搬出作業などが行われた。

両者の意見食い違うも…解体工事へ

この建物の住人は今まで用地交渉に応じなかった理由について「行政代執行が始まるまで熊本県や熊本市からは何の連絡もなく、気づいたら始まっていた」と話した。

対象地の住人:
納得いかない。何も分からず県と市がする通りにしていたら、こんなになった

しかし、熊本県の担当者は「本人が知らない間に代執行が始まっていたということはありえない」と反論する。

熊本県の担当者:
定期的に移転義務者の方の自宅を訪問したり、電話するなり接触を図って説得に応じていただくよう話をしてきているので、全然話がなかったかのような話をされているが、そのようなことはない

熊本県は翌週にも解体工事に着手し、土地の引き渡しに向け準備を進めたいとしている。

(テレビ熊本)

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