会長2人、ホームページ2つという異常事態

処方箋なしに購入できる市販薬を手がける業界5団体で構成する「日本一般用医薬品連合会」(一般薬連)で内紛騒動が起きている。

組織運営をめぐる対立から会長が2人存在。
それだけでなく、事務所やホームページも2つ存在する異常事態となっている。

ホームページはよく見ると、「News」の欄に掲載されている内容が違うが、写真も同じで見分けがつかないほど瓜二つなのだ。

『日本一般用医薬品連合会』の2つの異なるホームページ

“三輪派”と“反三輪派”の間で内紛

そもそも、一般薬連は2011年7月、自分自身で健康を管理し、軽度な病気は自分で治療する「セルフメディケーション」の重要性を社会に普及させていきたいとして、「日本OTC医薬品協会」「日本医薬品直販メーカー協議会」「日本家庭薬協会」「日本漢方生薬製剤協会」「一般社団法人 全国配置薬協会」の5協会を束ねる組織として発足。

2016年5月から興和の三輪芳弘社長が会長を務めてきたが、内紛は“三輪派”と“反三輪派”の間で起こっている。

“反三輪派”の一般薬連の幹部は、三輪氏の強引な組織運営に不満を持ち、今年5月29日、会則で定めた「会長に事故ある事態」に当たると主張し、理事会を招集。
大幸薬品の柴田仁会長を、一般薬連の会長に起用する人事を賛成多数で決めた。

これに対し、“三輪派”は会長の選任手続きに問題があると指摘。
「日刊薬業」によると、三輪氏は「正式なのはこちらしかない」と話し、一般薬連の名称使用の差し止め請求を行う考えを示すなど、両者は一歩も引かず、泥仕合の様相を呈している。

“三輪派”サイドの言い分「こちらが正当」

会長が2人存在し、事務所、ホームページも2つ存在するという異常な事態になっていることを、双方はどのように感じているのか?

まずは、“三輪派”サイドの担当者に話を聞いた。

――会長が2人存在し、事務所、ホームページも2つ存在するという異常な事態になっていること、どう感じている?

こちらが「一般薬連」として正当に運営していて、あちらは正当に運営していないと思っています。

――その理由は?

あちらが主張している、(柴田会長を選出した)理事会を開いた理由は「三輪会長が意思と能力を喪失した状態」と認定したからで、あちらはこれを「事故ある事態」と認定しています。

ただ、三輪会長はこういった状態ではなく、こういった理由で理事会を開催したことに問題があります。

そのため、こちらとしては正当な状態で理事会が開催されたとは考えておらず、あちらは同じ名前で勝手に運営していると考えています。

――今後はどのような対応をしていくつもり?

こちらのビジョンに賛同してくれる会社や団体に加盟していただいて、今の「一般薬連」の事業を進めていきたいと思っています。

“反三輪派”サイドの言い分「我々が一般薬連で問題ない」

つづいて、“反三輪派”サイドの担当者にも話を聞いた。

――三輪氏が「正式なのはこちらしかない」と話していること、どう思う?

お互いが正当性を主張していますが、我々が「一般薬連」で問題ないと思っています。

当連合会は構成5協会が正会員であり、その正会員全てが当連合会に加盟しており、全正会員が会則に基づき新会長を推薦し、5月29日に開催した第13回理事会では、理事会構成員33名の内、代理出席を含め出席者は27名、監事2名を除く投票の結果、賛成24名、反対1名の賛成多数で新会長が選任されております。

――今後はどのように対応していくつもり?

生活者の健康の維持増進、ひいては国民の健康寿命の延伸に資するセルフメディケーションの推進を粛々と進めていきます。


双方に話を聞いてみてもどちらも「正当性」を主張、「日本一般用医薬品連合会」の内紛騒動は今後、どのような展開を見せるのか。注意深く見守っていきたい。