自民党は10日の総務会で、安定的な皇位継承策を検討する総裁直轄の組織を新設すると発表した。

森山裕総務会長が、総務会の後に記者会見して明らかにした。

皇位継承資格を持つ皇族男子は3人で、天皇陛下の次の世代は悠仁さまだけで、皇位の安定的継承が課題となっている。

政府は昨年1月、皇族の数を確保する策として、①女性皇族が結婚後も皇室の身分を保持する案と、②旧皇族の男系男子を養子縁組で皇籍に復帰させる案の2案を軸とする有識者会議の報告書を国会に提出した。

その後、各党で対応することとなり、自民党は2022年1月に、麻生太郎副総裁を座長とする「懇談会」を設置し検討を始めたが、議論が停滞していた。

岸田首相は10月の所信表明演説で、皇位継承策の検討に言及した上で、その後の衆院予算委員会で、「喫緊の重要な課題で党として議論に貢献することを示す」と述べていた。

2022年に設置された「懇談会」に比べ、今回は総裁直轄の組織となるため、総裁である岸田首相の意向が議論に反映されやすくなる。

トップは引き続き麻生氏が務める見通しだが、自民党の主導で議論を加速させ、国会での合意形成につなげたい考えだ。

森山総務会長は会見で、党の見解をとりまとめる時期について「いつまでにということよりも熟議をして国会としてどうまとめていくかが大事だ」と述べ、与野党の合意形成を見守る考えを示した。