八代市の山あいで自然と触れ合う里山保育園の話題です。

この春から異なる年齢の子どもたちでクラスを編成する『異年齢保育』を始めました。

開始から半年余りが過ぎ、子どもたちにも変化が出ているようです。

バッタ取りにカエル釣り、水遊びに、栗拾いまで。

山あいの静かな集落にある八代市坂本町の『あさひ森の保育園』の子どもたちは四季に合わせた活動を楽しんでいます。

自然の中からの学びを大切にする里山保育に取り組むこちらの保育園では、今年4月から3歳児から5歳児までが同じ生活をする『異年齢保育』に週1回、取り組んでいます。

【あさひ森の保育園 坂本 顕真 園長】
「各クラスでお集まりが始まるまで遊ぶわけですよ。それもクラスの壁を越えて、年齢差も超えて、自由にのびのびと自由に遊んでいる。それを私たちは見て、意図的にこういう環境を用意しておくべきではないかと思って」

あさひ森の保育園では日々の行事が決まっておらず、子どもたち自身が話し合いをしてその日の過ごし方を決めています。

『異年齢保育』の日もみんなで何をしたいか話し合っていました。

「ドッヂボールしたい」、「おにごっこしたい」積極的に手を挙げて自分たちがやりたいことを発表しますが、なかなか意見がまとまりません。

泣き出す子も出てきて中断しますが、2つの遊びに分かれて遊んではどうかという意見が出され、ようやくまとまりました。

【中山 理絵 先生】
「異年齢になって話し始めたばかりなので、いろんな考えが今、出始めている状況なので、お互い後半になってくると相手の気持ちも考えて話し合いもうまくいくのかな」

保育が専門であさひ森の保育園にも何度も足を運んでいる熊本学園大学の宮里 名誉教授は、「大人の社会と同じように子どもたちも違う年齢の中で学ぶことが重要」と話します。

【熊本学園大学 宮里 六郎 名誉教授】
「やはり同年齢では幅がないので選択肢が狭くなる。異年齢だったらいろんな多様な子がいる。大きい子を見ていて、できそうなことはやってみようと思うけど、やはり僕は小さくてできないんだなと諦めるけど、大きくなったらたぶんできるようになるから、その時やろうって気持ち切り替えられるのは異年齢の面白いところ」

『異年齢保育』を始めて半年。話し合いもずいぶんとスムーズになってきました。

定期的に年齢の違う子供たちが活動を一緒にすることで、年下の子が年上の真似をしたり、年上の子が年下の世話をする様子が見られるようになりました。

【あさひ森の保育園 坂本 顕真 園長】
「家では一人っ子、弟や妹だったりするんですけど、異年齢になったりお兄ちゃんになったりお姉ちゃんになったりする素敵な人間関係が構築される」

子どもは子どもの世界でしか学べないこともある。

『異年齢保育』で新たな効果も見えてきました。

あさひ森の保育園では今後1、2歳児にも広げて異年齢保育を進めて行く予定です。

テレビ熊本
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