1日の汗を流す風呂が気持ちいい季節だが、みなさん「〇〇湯」といえば何を思い浮かべるだろうか。
5月のしょうぶ湯や、冬至に入るゆず湯などが有名だが、Twitterでは今ちょっと変わった風呂が話題になっている。




「利尻島の旅館ではいった『昆布風呂』、お湯に昆布がはいってます。『注文の多いお鍋屋さん』ではありませんでしたので、ご安心を。」とのコメントとともに投稿された写真。

湯船に沈んだひょろ長いナゾの物体の正体は、なんと「昆布」。
投稿者は、北海道の利尻にある旅館で「昆布風呂」に入ったという。
昆布のダシと一緒に自分が煮込まれそうな風呂を見たTwitterユーザーの反応は…

「いいダシが出そう」
「鍋の具の気分になる」
「風呂を出ると、からだ中に壺の中の塩をたくさんよくもみ込んでください、と指示されるのでは?」

と、中には宮沢賢治の『注文の多い料理店』のイメージと重ね合わせる人も現れた。

この昆布風呂をやっているのは、利尻島の「ホテル雲丹御殿」。
旅行サイトには「ウニ料理が自慢の漁師の宿」と魅力的なキャッチコピーが書かれているが、それ以上に気になるのはお風呂。
確かに昆布風呂は、「味」が良くなりそうだが、はたして「体」にはいいのか?
昆布ダシで美味しく煮込まれたら、ペロッと食べられちゃうなんてことはないのか?
「ホテル雲丹御殿」のご主人に話を聞いてみた。

「風呂に昆布を入れたら、利尻らしくていいんじゃない」

――雲丹御殿というだけにオーナーが自ら獲ったウニ料理が名物とのことだが、昆布も海からとってくるのか?

自分でとった昆布じゃないですね。
昆布がとれるのは7月のちょっとの間だけなので、他の人から分けてもらったりしています。


――昆布風呂は利尻島では昔からよくやっていたことなのか?

いや、やってないですね。

この辺りには利尻富士温泉という温泉があるんですけど、そのお湯を旅館のお風呂に入れるとフィルターの性能が良すぎて温泉の成分まで濾過してしまうんです。
そこで、うちのお風呂に昆布を入れたら利尻らしくていいんじゃないかなって始めたんです。


――では、そちらのホテルが昆布風呂の元祖なのか?

それは分からないです。
北海道のどこかでも風呂に昆布を入れているところがあるみたいです。
うちはオープンの時(2007年)から昆布風呂を始めて、風呂掃除や浜から昆布を持ってくる手間などが大変なんですけど、ずっと頑張って続けています。

「昆布風呂」は美味しいのか?

なかのとおるさんツイッターより

――昆布風呂は、どんなお湯なのか?

とろみがついて柔らかくトロっとなります。

――効能は?

お客さんによると肌がツルツルするそうで、喜ばれています。

――美味しそうな匂いはするのか?

風呂を入れた最初だけは潮の香り、昆布の香りがします。
でも風呂上がりの体から昆布の香りがするようなことはないですね。


――お湯は美味しい味がするのか?

昆布が入っているから味は多少すると思うけど、舐めたことないからわかりません。

――昆布を食べる人はいる?

どうでしょう?
体に巻き付ける人はいますけど。

――「注文の多い料理店」のように、風呂から出たところに塩の壺が置いてあったりしないのか?

ないです(笑)

――ダシをとるには昆布を水に入れてから熱するのが普通だが、昆布はいつ入れている?

沸かしてからです。

やはり「昆布風呂」と「昆布ダシの鍋」は全く違うようだ。

「利尻昆布」で有名な土地なので、オープン以来昆布を入れ続けているということだが、『注文の多い料理店』のように美味しく食べられちゃうことはないので安心していただきたい。