FIFAワールドカップ、日本代表の第3戦、ポーランドとの決戦は、惜しくも敗れたが、決勝トーナメント進出を決めた。

警戒していたポーランドのセットプレーによる失点。

日本は引き分け以上で決勝トーナメントへの進出が決まる状況の中、1点を取らなければならなかった。

だが、同時間帯に行われていた「セネガル対コロンビア」の試合で、コロンビアが先制したことで状況は一変。

日本はこのままいけばフェアプレーポイントの差で決勝トーナメント進出が決まる。

終盤は攻めずにパスを回して時間を稼ぐプレーにスタジアムからブーイングも沸いたが、コロンビアが1-0で勝つという想定のもと、無理な攻撃をせずに守りに徹した日本。

この西野監督による決断がどれだけ難しいものだったのか、元日本代表の永島昭浩さんが解説する。

先発メンバーを6人交代

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このポーランド戦の中で、永島さんは「西野監督には2つのギャンブルがあった」という。

1つ目のギャンブルは、先発メンバー6人を代えてきたこと。

「怪我や疲労、累積警告などさまざまな理由がありますが、(6人の交代には)本当に驚いた」という永島さん。

これは結果的に成功だったのか、失敗だったのかについては「前半から(交代した)6人の問題ではなく、スムーズにボールを運ぶことがなかなか上手くいかなかった時間帯が多かった。そういう意味では、攻撃よりもしっかりとした守備を全員が意識した時間が多かった」と分析。

乱れたパス回しや、ゴール前にフリーでシュートさせてしまった後半14分の失点は大きな反省点で、この失点によって選手たちの精神的なダメージにもつながったという。

負けているのに"攻めない"決断

2つ目のギャンブルは「負けているのに"攻めない"決断」。

ポーランドに追いつかないと決勝トーナメントに進出できないという状況に追い込まれ、攻める必要があった時に投入された乾貴士選手。

この交代について永島さんは「チームに攻める必要があるというメッセージを与えた」と話す。

攻めるために乾選手を入れたが、同時に行われていた「セネガル対コロンビア」に動きがあり、コロンビアが先制したことで、勝ち点、得失点差、総得点がセネガルと並んだが、フェアプレーポイントでは日本がセネガルを上回っていることで、決勝トーナメント進出が見えてきた。

「そこで西野監督は、ポーランドに追加点を取られたら、得失点差でセネガルを下回るため、攻めのリスクをやめた」と分析した。

コロンビア頼みとなったことで、長谷部誠選手を投入し、「自分たちの点数どうこうではなく、コロンビアがこのまま勝ってくれ、という決断を選択した。ある意味ギャンブルです」と話した。

西野監督「厳しい選択でした」

リスクのあるこの決断を西野監督は「厳しい選択でした。万が一、という状況はこのピッチ上でも考えられましたし、他会場でも万が一があるわけで、最終的に自分がピッチ上に送ったメッセージは、このままでいいという選択。選手たちはそれを全うした。

いかなるブーイングにも負けずに、状況をキープした。私のメッセージを忠実に選手たちを遂行してくれたと思いますし、あの状況を作ったのは、選手たちではなくベンチワークだった。これは、間違いなく他力を選んだということで、ゲーム自体、負けている状況をキープすることで、自分やチームそれも非常に納得がいかないというか、本意ではない選択をしている。ただ、ステージが上がれた、そこだけが救いですね」と振り返った。

会見からもさまざまな葛藤があったことがうかがえるが、永島さんは「決断する時間がない中で、コロンビア頼みでしたが、しっかりとそれを選択して、『長谷部』というカードを切って、長谷部選手にしっかりとゲームをコントロールしろと。これは選手と監督の信頼関係があらわれた一面だったのかもしれません」と分析した。

(「めざましテレビ」6月29日放送分より)