家の裏山が土砂崩れ

今年5月、愛媛県・松山市の離島「怒和島」で行われた島の養殖サーモン試食会に、一組の姉妹が参加していた。

お揃いの髪型で、仲睦まじく並んだ2人。小学3年で姉の井上陽葵さんと、小学1年の妹・結衣さんだ。試食会でサーモンを食べた陽葵さんは、笑顔で感想を口にしていた。

「回転寿司で食べるサーモンより、ちょっと酸っぱくて。怒和のミカンの味も少しだけして、特別だと思います」

姉・井上陽葵さん(左)妹・結衣さん(右)

人口約300人の怒和島で、児童数6人の小学校に通っていた笑顔の姉妹は、まさに“島の宝”だった。だが、7日未明、姉妹が住む家の裏山が崩れ、住宅が倒壊した。

近隣住民が見守る中懸命な捜索が行われたが、倒壊した建物の中から運び出されたのは、陽葵さんと結衣さん、それに母親の遺体だった。

松山市では10日、3人の葬儀が営まれ、参列した人たちが最後の別れを告げた。

広島各地でも被害…

多くの犠牲者を生んだ、“平成最悪の豪雨”。広島県・熊野町の土砂崩れ現場で、家族の救出を待っていたのは、角森康治さん(54)。

妻・奈々さんと2人の息子の健太くん・美憲くん。そして、義理の母・青木裕子さんの計4人と連絡がとれない状態になっていた。

重機を使った大掛かりな捜索が続けられ、発見されたのは妻・奈々さんとみられる遺体だった。続いて土砂の下から見つかったのは、息子にプレゼントした、ぬいぐるみだった。

「アンパンマンが見つかった。ありがとう…これ俺があげたやつ…。これも抱いとったけんね、いつもね。この辺にいるよ絶対」

涙ながらに思い出を語った角森さん。現場では10日も捜索活動が行われ、義理の母・青木裕子さんとみられる遺体が発見された。息子2人の安否は分かっていない。

広島県・福山市では、濁流に流されて犠牲となった、甲斐朱莉ちゃん(3)の葬儀がしめやかに営まれ、約200人が参列した。

小さな棺が葬儀場から送り出される時には、見送る参列者から泣き声が漏れ、会場は深い悲しみに包まれていた。

いつやってくるか分からない自然災害、決して他人事では済まされない。いざという時も、対応できるように、普段からの意識と備えが大事になってくる。

(「プライムニュース イブニング」7月10日放送分より)