氏田雄介ってどんな人?

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古市憲寿:
「あたりまえポエム」をやり始めたのはいつくらいからですか?

氏田雄介:
去年の11月です。

鈴木理香子アナウンサー:
「あたりまえポエム」が本になっているんですが、タイトルは「君の前で息を止めると、呼吸ができなくなってしまう」です。「そりゃそうだろ!」ということで話題になりました。

古市:
へ~、面白い

鈴木:
このホウドウキョクでは、氏田さんに会う前から「バズってる!」ということで紹介をしてきました。

氏田:
ありがとうございます。

古市:
(書籍記載の著者プロフィールを紹介)1989年愛知県生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業。面白法人カヤック入社。プランナーやコピーライターとして活躍。「面白法人カヤック」とは、そもそも何をやってる会社なんですか?

氏田:
クリエイターの会社で、広告やソーシャルゲームなどを作っています。デジタル関連の企画や制作をやっている会社です。

古市:
「あたりまえポエム」は仕事として始めたんですか?

氏田:
これは完全に趣味です。

古市:
はじめはどうやって思いついたんですか?

氏田:
ポエムって最初はJポップのラブソングを聞いたり、高校時代にポエムを読んだりとか、そういうところを通ってきてると思うんです。

でも、よくよく考えると「意外と言ってることに中身がないな」とか「普通のこと言ってるな」とか。曲にするから感動するんですけど…。

古市:
すごい普通か、もしくは、やたら翼がはえたりとか、やたら空に飛んだりとかね…。

氏田:
そうですね。

鈴木:
では、氏田さんがどんなポエムを作っているのか、おすすめの三選をご紹介していただきます。

氏田雄介セレクション

古市憲寿セレクション

古市:
僕はこれが好きです。

イルミネーションの前に立つ君は、
いつもより眩しく見えた


古市:
イルミネーションの前だからね。でも、これありそう。あとは、これも。

僕の隣に君がいるとき、
必ず君の隣に僕がいた


氏田:
まちがって感動しちゃいそうですね。

鈴木:
感動しそう!じわじわ来た!

古市:
再会したら、君にもう一度会えるのかな
とか。

氏田:
再会してますからね…。

古市:
あきらめたら、そこでギブアップだよ

鈴木:
長嶋茂雄さんみたいですね。

古市:
でもこの本は「あたりまえポエム」だけではなく、右のページにはちゃんとストーリーが書いてあるんですよね。

氏田:
全編通してストーリーになっているんです。

鈴木:
それも踏まえて、氏田さんの好きなストーリーはありますか?

氏田:
小説っぽい書き出しのものがあります。

鈴木:
「不思議だね
 目が乾くと
 涙が止まらない

 飛行機は着陸するまで飛び続けた。

 なんだか落ち着かないのは、
 今朝君の夢を見たせいかな。
 後悔や未練なんてないはずなのに、不思議だね。
 目が乾くと、涙が止まらなかった」

氏田:
書き出しと終わりが「あたりまえ」になっているんです。一応ストーリーを思い起こさせるような。

古市:
いま自分で読んでていいと思った?

鈴木:
自分の体温が1度上がったかな?と感じさせるものでした。

古市:
写真もきれいだから、この感じいいですよね。

あたりまえポエムの発展形

鈴木:
さらに「あたりまえポエム」だけではなく、「インスタ小説」というものに挑戦していると伺いました。1つ紹介します。

タイトル「戦後は戦前」

「タイムマシンが不時着したんだ。今は戦前か?」
「いや、戦後からもう七十年は経っているよ。」
「ということは二十二世紀か。」


これはどういうことなんでしょう? 

氏田:
まず「インスタグラムでも読めるくらいの短い小説」ということで書き始めました。

この「戦後は戦前」というのは、いまの我々からすると「戦前」は1930年から前を想起すると思うのですが、未来人にとっての戦後から70年が22世紀、と思うということは、我々の時代のこの後にも戦争が起こって、その後の時代を「戦後」と呼んでいるのではないか、と。

古市:
僕らはいまを戦後と思っているけど、これから起こる戦争から見たら「戦前」であって、いつか起こるかもしれないという風刺が込められているんですね。

鈴木:
一文というか三行というか、この画面を載せているんですね。

氏田:
はい。これを画像として載せています。

古市:
面白いですね。インスタグラムは文字のメディアではないと思っていたけど、こうして見ると、読めますもんね。

氏田:
いま文字って読まれないので、その中でも読まれるものというと、これくらいの短い物語なんじゃないかなと。

古市:
ちょっと難しいですよね。考えないとわからないみたいな絶妙なバランスがあって。

氏田:
そうですね。短い中にいろんな物語が詰め込めるように。

インスタ小説「ロブスター?」

氏田:
食べちゃったのがサンプルだったと。

古市:
こういうショートショートは昔からお好きだったんですか?

氏田:
そうですね。

古市:
やっぱり星新一さん?

氏田:
はい、その影響が出ていますね。

古市:
最近ショートショートといっても、なんだかんだで数千文字あったりとか、ショートショートなのに長くなってるんですよね。だからこういう短くて「なるほどね!」ってわかるようなものが意外とないように感じるので、これは面白いと思います。

インスタ小説「盗まれた皿」

鈴木:
これは?

氏田:
これは「ルパン三世 カリオストロの城」でおなじみのセリフですけど、何も盗んでいかなかったと思いきや、「盗む」の文字の「皿」の字が盗まれているというものです。

古市:
おしゃれ!

氏田:
なぞなぞ風で。

古市:
こういうのいま流行っていますよね。アイデアはパパッと思いつくんですか?

氏田:
これは電車の中で、うんうんと考えながら作っています。

古市:
この「インスタ小説」も投稿したら、これを見た人が違う作品を投稿することもあるんですか?

氏田:
本当はそうなってほしいなと思っていて、いまはまだ広がってはいないですけど。

古市:
これを作るのって難しいですよね。

氏田:
難しいです。

古市:
「あたりまえポエム」の方がハードルは低いと思っていいでしょうか?

氏田:
そうですね。「あたりまえポエム」は当たり前のことを言うだけなんで、何も難しいことはないんですけど。

古市:
「あたりまえポエム」と言ってなくても、当たり前のことばかり言ってる人っていますよね?

氏田:
最近だと「あたりまえポエムかよ!」ってツッコミがよくネット上で見られますよ。

あたりまえに願う「これから」

鈴木:
氏田さんが今後挑戦していきたいことはありますか?

氏田:
「あたりまえポエム」のように、僕が作品をどんどん出すだけではなく、色んな人が楽しく参加して、みんなで作り上げていく、そういう仕掛けの部分を考えていきたいと思っています。

鈴木:
その心は?なんでそんなみんなに協力してもらいたいと思うのですか?

古市:
あたりまえのことを言わせようとしてるの?困るような質問をして。

鈴木:
そんなことは…。

氏田:
本職が企画のプランナーなので…。

古市:
ハッシュタグを使って広めたいとか、別にあたりまえでしょ!

氏田:
そうですね。あたりまえに思っていましたね。

鈴木:
そっか、あたりまえに広がってほしいな~ということですね。