財務省は、財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会の分科会を開き、2024年度予算の編成に向けた議論を開始した。
会議の冒頭で鈴木財務相は「歳出構造を平時に戻していくとともに、緊急時の財政支出を必要以上に長期化、恒常化させないよう取り組む」と述べ「メリハリのきいた予算編成をおこなっていく」と強調した。
2024度は介護、医療、障害福祉サービスの報酬を同時に見直す、いわゆる「トリプル改定」の年になっていて、27日は社会保障費について議論された。
会議で財務省は「去年までの3年間、病院などの外来医療費が1受診あたり平均で4.3%上昇し物価上昇率を上回った」と指摘し、委員からは「医療費の1受診あたり単価が上昇する中、医療従事者の賃上げは十分可能だ」との意見が出るなどしたという。
増田会長代理は会見で「会議では報酬の引き上げには総じて慎重だった」と明らかにする一方で「コストも上がっているため、現場の実態をみてトータルで報酬改定を考えていくことになる」と述べた。