中国のSNSに投稿された動画。
海産物を食べる岸田首相に続いて、ストレッチャーに乗せられた人や走る救急車の映像が編集されている。

さらには、中国語で「核汚染水」、「海鮮」、「中毒」などとも書かれている。

中国のSNS上では、8月末ごろから、岸田首相が日本の海産物を食べ、食中毒になり緊急入院したというフェイク動画が出回るようになった。

福島第1原発の処理水放出をめぐり、中国で拡散している多くのフェイク動画。

動画は、岸田首相が8月30日に福島県産のヒラメなどを食べた時の映像などに、まったく関係のない病院や救急車などを組み合わせて作成されていた。

もちろん岸田首相は、4日も元気な様子で、入院したなどの事実はない。

中国のSNSには、さらにこんな動画もあった。

千葉県の海岸で撮影されたというカメの死骸に、海洋放出が始まった8月24日に核汚染水で死んだと書かれている。

FNNは、元となった動画を発見した。

動画は、日本在住の中国人が撮影し、8月27日、SNSに投稿したものとみられる。
元の動画は処理水については触れておらず、中国のネット民がこの映像を利用して、処理水と関連づけたとみられている。

処理水の放出をめぐっては、日本の各地に中国の国番号「86」から始まる嫌がらせの電話が殺到。

東京都庁にも、これまでに3万4,000件以上の迷惑電話がかかってきたという。

この事態を受け、都庁では9月1日から、嫌がらせの電話に中国語の自動音声を流す対応を始めた。

その内容は、「中国の原発の中には、トリチウムの年間処分量が福島第1原発の約10倍にもなっているものがあります」というもの。

4日、東京都の小池知事が、このアナウンス作戦の理由を述べた。

東京都・小池知事「きちっと正しいことをお伝えするというのも、1つのあり方かなと思っています」

知事によると、迷惑電話は徐々に減りつつあるという。