『匠の手しごと』

岩手県一関市で仏像の彫刻や修復を行っている京仏師の男性。伝統の技で今話題のあの妖怪の製作にも取り組んでいる。

京仏師 石川昇明さん

「私たち人間というのはものすごく弱い生き物じゃないですか。それで何かある度に不安になったりとか、弱いところがあって、その時に仏様は私たちを救ってくださる拠り所の対象になる、その形を私たちが造ってる」

今まで、数々の仏像を手掛けてきた一関市大東町の京仏師・石川昇明さん。

大震災後は、陸前高田市の寺に高田松原の松を使った阿弥陀様や供養仏としてお地蔵様を寄贈するなどの活動もしてきたという。

目指す仏様は…

石川昇明さん

「仏様の前で10人が10人とも、素直に手を合わせてくれる、どんな時でも手を合わせてくれる、そういう仏様を仏師としては作らなきゃいけない」

石川さんの作品は、ほとんどが手彫り。作品によっては数カ月かかるものもある。思いを込めて、繊細な表情や形を表現していく。使う刃物は、300種類にも及ぶ。

「用にしたがって刀を改む」という弘法大師の言葉があるように、大小様々な彫刻刀を、用途で使い分けて。

優しく包み込んでくれるような仏様が石川流。

石川昇明さん

「あまり肩を張らないように、なるべくなで肩で丸みを帯びて女性的な、そして、お顔も面長じゃなくてふくよかな状態にもっていくように掘ります。厳しさの中に包容力があると誰もがほっとするというか、母親に似た、少し落ち着くというか…」

石川さんは、こんなアート作品も作る。

自然木に埋め込んだ十三回の追善供養を司る十三仏。

手に収まるサイズの仏様も秀逸。

そんな石川さんが、最近手掛けているのは、持ち運べる小さな身代わり薬師如来。

石川昇明さん

「後ろに病気の方では、快という字を書いて名前を書いて。健康の方であれば、ずっと健康であるように健という字を書いて名前を書いて、そして常に自分の仏さまとして持ち歩く」

そしてこんなものも…

石川昇明さん

「今、疫病を退散させるというアマビエ。(平面のアマビエ)それを私がそのまま立体化したという」

京仏師は、いつでも人々の幸せを祈っている。