繁華街真っ暗…失われた日常

定点カメラに映る6日午前3時すぎの札幌市内。
午前3時8分、通りの街灯が次々と消え、街は真っ暗に。その直後、カメラが大きく揺れ始めた。地震発生の瞬間だ。

北海道南西部を震源とする最大震度7の地震により、北海道全域の約295万戸が停電した。
信号機やコンビニの電気も消え、函館市の名物・朝市にも影響が出ていた。

「電気がつかないから、水槽とか温度が保てないからヤバいね。酸素もないし、温度もだんだん上がるからね。だんだん(カニが)弱っていっちゃうから、このままじゃまずいです」(函館朝市の業者)

最も重要なライフラインのひとつ「電力」を失った北海道。

札幌市内の家電量販店には、午前11時ごろ、1000人以上の行列ができていた。
人々が求めていたのは、モバイルバッテリーや乾電池、ライト、携帯ラジオなど。
店内にある在庫を一斉に出して提供していたが、モバイルバッテリーは早々に売り切れてしまったという。

また、札幌市白石区では、午後4時ごろに無料で開放されている公衆電話を利用しようと長い行列ができていた。

発電所が次々停止…復旧メドは?

午前3時8分、最大震度7の地震発生とともに、震源地に近い苫東厚真発電所がストップ。

世耕経産相は午前8時すぎに会見し、「それから連鎖的に他の発電所も自動的に発電を止めた。そうしないと、電力の周波数が乱れて、電力供給がうまくできないことになるので、いったん全部を停止した」と説明した。

北海道内の火力発電所がすべて止まったことにより、道内全域の約295万戸への電力が途絶えたのだ。

北海道内の火力需要の約半分を担っていた苫東厚真発電所。

再稼働させるためには外部電力が必要なため、道内4ヵ所の水力発電所を再稼働させた。
これにより、見込み通り電力が復旧するかと思われたが、頼みの苫東厚真発電所の設備が損傷していることが判明した。

道内では、現在までに再稼働した水力発電と、砂川火力発電所の稼働で、約55万kWの電力を確保。
さらに政府は、7日、道内3ヵ所の火力発電所を再稼働させ、本州からの供給分と合わせ約290万kWの電力を確保できる見通しだと発表した。

しかし、本格復旧にはそれでも足りていない。
病院などの重要施設に対しては、電力供給に支障が出ないよう電源車を派遣し、臨時の供給を行うとしている。

「死者7人」被害甚大に…その時何が?

北海道全域での大規模停電はなぜ起きたのか?
土砂災害などの砂防対策に詳しい防災システム研究所の山村武彦所長に解説していただいた。 

島田彩夏キャスター:
苫東厚真発電所が停止したことにより電力の供給バランスが崩れ、故障を防ぐため、他の発電所も停止したということです。
そのために大規模停電が発生したということですが、山村さん、こういったことが起こるのですね。

山村武彦所長:
ブロック化されているものかと思ったらそうではなく、実際にはパラレルというか、繋がっていた。
なおかつピーク時ではない、一番電力を使っていない時間帯に地震が起きたので、他の発電所はほとんど動いていない状態でした。
そんな時に苫東厚真発電所がダウンしてしまうと、他の発電所が立ち上がるまでに時間がかかるんです。
その間が非常に状況が悪くなるので、全部停止という形からはじまってしまったのです。

島田彩夏キャスター:
今後の見通しは、世耕経産相によると、7日に本州から電力を融通してもらうと。
そして、道内でも発電し、それらを合わせると、約290万kWの電力供給が予定されている。
しかし、地震発生前の5日のピークでは約380万kWだったので、足りないということです。あと1週間ほど電力が足りない状況が続くというのは?

山村所長:
一度にではなく徐々に復旧していくと思うのですが、それには安全確認が必要になってきます。
いきなりブロックごとに電力供給をするということができないので、安全確認がとれたブロックからとなりますから、多少の時間はかかるということです。

島田彩夏キャスター:
現在、一部で送電が開始されたようですが、まだまだ北海道は停電が続いています。
暗くなった夜は、どのようにして過ごせばよいのでしょうか?

山村所長:
基本的には停電になっているので、ろうそくなどを使われると思います。
余震もありますので、その際には火の扱いに注意してほしいです。
また、マンション等には、自動火災報知設備が付いていますが、その予備電源はもうダウンしてしまっています。
そのため、火災が発生しても火災報知機が鳴らない可能性がありますので、火の元には十分注意してください。

反町理キャスター:
東日本大震災時には、計画停電がありました。
約90万kW足りないとなると、簡単には補えないと思いますが、しばらくは計画的に生活する必要がありそうですね。

山村所長:
病院などの確実に電力が必要な施設には、バックアップとして電源車を派遣しているように、優先順位を決めて、場合によっては計画停電も考えていく必要があるだろうと思います。

(「プライムニュース イブニング」9月6日放送分より)