国立がん研究センターは、連携する拠点病院で2011年に「がん」と診断された患者の3年後の生存率を発表した。
これまでは治療の目安として5年生存率が公表されてきたが、より迅速に情報を提供するため、今回初めて3年生存率が公表された。
新しい治療方法や薬の効果を、5年を待たずに把握できるようになり、がん対策に活用できるとされている。

部位ごとで「3年生存率」に大きな差

調査の対象は肺や胃など全11部位で、3年生存率の平均は71.3%。
部位別にみると、大腸がんは78.1%、胃がんは74.3%、肺がんは49.4%となっている。
一方、3年生存率が低かったのはすい臓がんで、15.1%となった。

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“沈黙の臓器”すい臓

なぜ、すい臓がんの生存率が著しく低いのか。

すい臓がんの調査対象人数は10,020人。
がんの進行度合いを示すステージ別で見てみると、初期の「ステージ1」が609人、最も進行している「ステージ4」が4,735人と、半数近くが診断の時点で、すでに症状が進行していたことが分かる。

さらにステージ別の生存率では、「ステージ1」が54.8%となのに対し、「ステージ4」では2.6%と一気に下がっている。

この結果から見えてくるのは、すい臓がんの発見が他のがんと比べて遅く、それに比例して生存率も低くなっているということだ。
女性のみが対象のため単純に比較はできないが、3年生存率が95.2%の乳がんと比べると、調査対象26,516人中、診断時「ステージ1」が11,550人(43.5%)、「ステージ4」が1,504人(13%)とその差は歴然。

すい臓は“沈黙の臓器”とも呼ばれ、がんが発生しても症状が出にくく、そのため、早期の発見が難しいことが主な要因と考えられている。

改めて・・・“早期発見が最も重要”

国立がん研究センターの担当者は、「がんの生存率がそのまますべての患者に当てはまるわけではない。この結果を踏まえて、がんの早期発見や治療方法について検討材料になれば」と話している。

今年86歳を迎える私の祖父も、1995年に胃がんの手術をしてから、その後、大腸がん、喉頭がんと何度もがんにおかされてきたが、早い段階で治療したおかげか、今なお元気に生きている。

がん患者の家族を持つものとして、がんの早期発見が最も重要なのだと改めて認識させられる結果となった。

(執筆:フジテレビ厚生労働省担当 佐竹潤)