話題の神ワザはその後どうなった?

今年の5月、Twitterで突如開催された「食パン薄切り選手権」を覚えているだろうか。

1斤の食パンを手動スライサーでどれだけ薄く切れるか?という、参加者1人のニッチな競技に挑戦したのは、千葉県・流山市の「小倉ベーカリー」で働くじゅん@おぐべー(@j_buriburi)さん。

その結果、1斤から47枚のペラッペラな食パンを切り出すことに成功し、編集部でも取材させてもらった。
1斤を47枚に!?「食パン薄切り選手権」を超個人的に開催

1斤を47枚に薄切り!
1斤を47枚に薄切り!
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そしてなんと、そのわずか1か月後、同じ1斤を77枚切りにすることに成功していた。
1斤を77枚の新記録! 帰ってきた「食パン薄切り選手権」



さらに、じゅんさんは薄切りにするだけでなく、ペラペラのパンにクリームを塗って大量に重ねたミルフィーユ風の『47フィーユ』にしたり、具材を大量に挟んでサンドイッチにしたりと、様々なアレンジレシピまで作っていた。

「パンとは思えない食感で、想像の遥か上をいく美味しさ」という『47フィーユ』は、商品化の希望が多かったことから、5月の時点で「商品化も検討中」とのことだった。

左:47枚の食パンにちなんで「47フィーユ」と命名 右:具材たっぷりの「流山フィーユ」
左:47枚の食パンにちなんで「47フィーユ」と命名 右:具材たっぷりの「流山フィーユ」

6月に開催された「第2回選手権」から3か月…
検討中だった商品化について、進展はあったのだろうか?そして、今も薄切り選手権は開催されているのだろうか?
気になって再び取材を申し込んだところ…




実は、すでに6月の段階で商品化していたことが判明!

販売は6月9日に始まり、不定期で7月、8月、そして今月8日にも数量限定で販売。
ケーキ1ピースほどのサイズだというこちら、今月は限定8個の販売で、1個700円。現在、おひとり様1個までの販売となっているが、毎回ほぼ完売だという。

Twitterで大反響となり、見事商品化を果たした「薄切りパンシリーズ」。改めて、じゅんさんにその後を聞いてみた。

最新の記録は「78枚切り」

――前回の77枚切りから、さらなる記録は?

78枚が最高記録ですね。 78枚切りとしてではなく、商品として47フィーユに使いました。

きっちりパッケージに入った「47フィーユ」
きっちりパッケージに入った「47フィーユ」

なんと、前回の77枚切りから1枚記録更新して、現在は78枚切りが最高記録。
しかし、詳しく聞いてみたところ、スライスに失敗した3枚分を抜いたということで、実は81枚切りにあと一歩だった、ということが判明した。
それらを踏まえて「80枚以上はいけるはず!」と思っているという。

そして商品化で気になるのは、以前の取材で、食パンのスライスは「かなり集中力が必要で疲労感が半端ない」と語っていたじゅんさん。
そんな精神力を削る作業が必要な商品を発売してしまって大丈夫なのか?


――商品化した「薄切りシリーズ」はどれくらいある?一般販売は可能?

今まで作ったものは、「47フィーユ」「流山フィーユ」「ペラペラスク」「食パン薄切りチップス」「パンdeラザニア」です。

実際に販売しているのは「47フィーユ」で、こちらは気まぐれ販売になっており、出会えたらラッキーな感じですね。
販売日は、お店や自分の仕事の状況により手が空きそうな時に作る感じなので不定期になりますが、今のところ土曜日販売が多いです。

「ペラペラスク」(6/29のツイートより)
「ペラペラスク」(6/29のツイートより)

量産はやはり「至難のワザ」だということで、手が空きそうなときに作る不定期の限定販売となっているが、反響は大きいようで「遠方からわざわざ買いに来ていただいたり、毎回買いに来てくださる方などもおり、大変嬉しく思っております」とのことだ。

アレンジレシピは次々登場しているものの「47フィーユ」以外の商品化については現在検討中。
「冬にむけて一品くらいは何か出せたらいいな〜とは思っております」と話してくれた。

第1回の開催から追ってきたが、「食パンは何枚まで切れるのか?」というシンプルな好奇心から始まり、SNS上の反響もあって商品化まで果たした「食パン薄切り選手権」。
今のところ量産は難しそうだが、“薄切り”の第一人者として、技術はどこまで極められるのかという興味とともに、斬新なアイデアの新商品の登場にも期待したい。



記事 4794 プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。