ツイッターで「意味不明」と話題

タカラトミーアーツと電通テックが展開するガチャブランド「パンダの穴」が、9月3日に発売したガチャ『氷河期の僧侶』がツイッターを中心に話題になっている。

これは、「時空を超え、氷河期という過酷な環境下にあっても、ひたむきに修行を続ける僧侶たち」をフィギュアにしたというシュールなガチャ。

ラインナップは、鉢を持って金銭を乞う僧侶「托鉢」、念仏を唱える僧侶「念仏」、掃除をしている僧侶「作務」、坐禅を組んでいる僧侶「坐禅」の4種類。

(c)Panda's ana 発売元:タカラトミーアーツ
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公式ホームページには、シュールな設定の詳細が記されている。

「それは狂ったように蝉の鳴く季節だった。修行を終え目を開けると、なんとそこは、一面の銀世界。かくして私は時を超え、新たなる境地へと旅立つのだった」

このシュールすぎる設定のガチャに対し、ツイッター上では「なぜこれを作ったのか謎」「理解できない」「今年一番意味不明」などと反響を呼んでいる。

「パンダの穴」シリーズは、「もうしら寝」「考えない人」など独特の世界観のガチャを生み出しているブランドだが、今回の「氷河期の僧侶」について公式ツイッターは「なぜ彼らはこの厳しい状況下でも修行を続けるのか?なぜこの企画を思いついてしまったのか?なぜこの企画を商品にしてしまったのか?謎は深まるばかりです」とツイート。
企画意図を明らかにしておらず、謎は深まるばかりだ。

ということで、深まる謎をそのまま電通テックの「氷河期の僧侶」企画発案者に聞いてみた。

真夏に見かけた「托鉢僧」に感銘を受けた

――ツイッターで話題になっていること、どう受け止めている?

ありがたいことに、いろんなお声を頂いて嬉しいです。

氷河期の僧侶というひとつの石が、みなさんの心の池に落ちたとき、 どのような波紋が起きるかは、人それぞれだと思います。

幾重にも広がる波紋を、楽しんでいただければ幸いです。


――どういったきっかけでこの企画を思いついた?

真夏に偶然、街で見かけた「托鉢僧」の姿に感銘を受けたのが、この商品のはじまりです。

この過酷な暑さの中で頑張ることは、ある意味、氷河期のような厳しい環境で修行をすることと同じなのではないかと悟りました。

――商品化するにあたって、こだわったのはどんな点?

僧侶ではない私の心が、僧侶の心に少しでも近づくこと。 それが一番のこだわりであり、難しいことでした。

僧侶の方については、色々な寺に取材にいったり、映画や動画や本などの資料等を見たり、実際に座禅体験をしたりして、体つきや佇まい、顔つきを深く深く研究をしました。

氷河期の解釈はひとつではない

――なぜ僧侶たちはこんなに厳しい状況でも修行を続けているの?

それは氷河期をどのようにとらえるかではないでしょうか。

氷河期とは太古の時代を指すだけのものではないのかもしれません。
たとえば、ひとつの考え方として、生きることは苦しいことであり、それぞれの時代や人生において、就職氷河期、結婚氷河期、失恋氷河期など氷河期は存在するのだと思います。

そう考えてみると、彼らが修行を続けていることは、それは私たちが日々の苦難に立ち向かう姿と重なる部分があるように思います。

また一方で、別の考え方としては、厳しい修行を乗り越えた人だけが、さらなる修行の境地へと足を踏み入れることができる。そうした意味も含まれているかもしれません。

つまり、氷河期の解釈はひとつではないということ。
このガチャを前に、それぞれの氷河期を悟っていただければと思います。

ちなみに、4種は4人、別々の僧侶を想定しています。

「記憶に残るすごい三振をさせてほしい」

(c)Panda's ana 発売元:タカラトミーアーツ

なぜこのような企画が実現するに至ったのか?
電通テックの「パンダの穴」クリエーティブディレクターにも話を聞いた。

――なぜこの企画を実現し、商品化を決めたの?

実は、この企画は3年くらい前の企画になります。
見た瞬間「何だコレは?」と思い、何とか世の中に出したいと思いました。

最初の商品化会議では採用されず、その後の商品化会議でも毎回推してみましたが、あまりのシュールさに採用されることはありませんでした。

そこで、今年は「パンダの穴」が5周年を迎えるので、「パンダの穴」らしい「何だコレは?」という商品を出したいという思いで、再度、熱い思いをぶつけて見ました。

そのとき、言ったのは「パンダの穴の商品は全部が全部ヒットする訳ではなく、必ず何点かはそれほど売れない商品があるので、その売れない商品枠を1つ使わせてもらい、記憶に残るすごい三振をさせてほしい」。

こういう訳のわからない説得の仕方でしたが、5周年だし、何だかよくわからないけど、「まーいいか」と半分、呆れられながら、心の広いお言葉をタカラトミーアーツから頂きまして、商品化に至りました。


実は、“深い思い”が込められていた「氷河期の僧侶」。
タカラトミーアーツによると、販売データはまだ上がってきていないが、「パンダの穴」の商品の中では「出足はまあ好調」なのだという。
今後どれだけ売り上げを伸ばすのか、期待したい。