自由気ままな子どもたちに、いつも親はハラハラドキドキ、時にもやもや。
「笑った!困った!」…でもウチの子はどうしてこんなことするんだろう。その行動の裏には、知られざる“子どものココロ”が隠されているはず。

今回、元気なココロちゃんとマナブくんきょうだいの育児に追われる小木(こぎ)さん一家に寄せられたのは、こんなエピソード。

「同じ色に同じデザイン…同じ服しか着たがらないのはどうして?」

昨日着ていたあの服を今日も着たい!という子どものエピソード。
今洗濯中だから着られないよ、と説明しても「どうしてもあれがいい!」と大泣き…
誰しも“お気に入り”はあるものだけど、それにしてもこだわりすぎる…決まった服しか着たがらない子どもゴコロって、どうして?

育児に役立つ“子育て心理学”を発信している公認心理師・佐藤めぐみさんにお話を聞いた。


――これはどの子どもにもよくあるこだわり?

あります。ただ個人差があるように思います。こだわる子はこだわり、なんでもOKの子は何も気にしないのように、その子によって大きく違うような印象を受けます。あとは年齢による偏りもあるように思います。


――では、「あの服しか着たくない!」子どもゴコロの理由は?

同じ服を着たいというこだわりは、2歳過ぎ~幼稚園期くらいでよく見られます。この時期というのは、第一次反抗期(イヤイヤ期)にあたり、自己主張が特徴的で、自分で決めたいという思いが非常に強くなる時期です。

とはいえ、実際には、まだまだ全てを自分で決められるわけではありません。親に依存していることが多々あるからです。そんな中で、洋服というのはこだわる対象として恰好なのだと思います。つまり、この時期の子供たちにとって、洋服などの好みは自己主張をぶつけやすい対象とも言えるのです。

あとは、もともと気質的に変化を好む子と好まない子はいて、変化を好まない子というのは同じ場所に行き、同じ人に会い、同じ物を使うことで安心を得る傾向が高いものです。新しい場所・人・物にワクワクできる子もいれば、なじみのある場所・人・物に安心する子もいる、それは持って生まれた性分のようなもので、親が変えられるものではないので、その子らしさとして受け入れることも大事になってきます。


同じ服しか着たくない!という子どもたちの主張は、芽生えだした「自分はこうしたい!」という気持ちをぶつけやすいのが洋服だから。また、慣れた服をずっと着ていることが安心に繋がる…というココロが隠されているよう。

しかしオトナの事情としては、忙しい朝の時間に「諦めて別の服を着てほしい…」と思ったり、運動する場所に行くため「スカートは変だよ、ズボンにして!」と言いたくなってしまう場面もあるはず。

――では、親はどんな言葉をかければいい?

2~3歳の子は自分で決めたい気持ちも強いですが、周りからほめられること、認めてもらうことも大好きです。イヤイヤ期というネーミングがついてはいるものの、実際の目的は自我を成長させることなので、その子を認めていく行為は受けとめてもらいやすいです。

ですので、「この洋服もすっごく似合いそう」「ちょっと着てみて。写真撮ってみたいから」のようにほめてその気にさせるのはやりやすいと思います。

あとは、同じような悩みを持っているママ友同士でほめ合うという作戦もいいと思います。「○○ちゃんのズボンスタイル、かわいいね~」のように、親ではない第三者にほめられるとまた受け止め方が違ってくることもあるので、協力し合うのはいい方法だと思います。

一方、自分が選択したものを否定されることへの抵抗感はこの時期いっそう強まります。「それ変だよ」のように思ったままを言ってしまうと、よけいにこじれてしまいがちですので、自分のためにも直球で否定するのは避けるのが賢明です。

ただ、このような言葉かけの工夫も大事ですが、やはり親が許容できる場合とそうでない場合があるということを、子供に示していくことは大切なことだと思います。「同じ服を着たがるから同じ製品をもう1枚買った方がいいのか」というお話を聞いたことがありますが、そこまでしてしまうと、逆に子供たちはごねればなんとかなるということを学んでしまいかねません。洗濯中でまだ着られない状況というのは致し方ないことですし、その理由を伝え、一時的に我慢することで学ぶことも大きいのです。

「その着こなしは…」と言いたくなる大人ゴコロは伝えてOK?

佐藤氏:
私が育児相談でたまに聞くのが、ママからすると「その組み合わせはありえないでしょ」という着方をしたがるというお悩みです。傾向的に女の子が多いように思います。上が水玉で下がストライプのような柄物on柄物、大人から見ると明らかにチグハグな格好かもしれませんが、このような主張は、ママの体制に大きく影響するものではありませんし、受け入れてあげるのがいいのではと私は思っています。

小学校に上がって数年すると、他者からの目というのが気になり始めるので、それにともないこのようなこだわりは消えていきます。あと数年たてば「かわいいこだわりだった」という“幼少期のあるあるエピソード”になっていくものですので、「ま、これくらいなら」と思えるこだわりは大目に見てあげるのがいいと思います。



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などなど、あなたの「育児あるある」に隠された子どもたちの気持ちを探ってみませんか?

※入力された内容は記事で紹介させて頂くことがございます。
※改めて取材をさせて頂く場合もございます。

(解説:佐藤めぐみ/公認心理師)
英・レスター大学大学院修士号取得・オランダ心理学会認定心理士。欧米で学んだ心理学を日本の育児で取り入れやすい形にしたポジ育メソッドを考案。アメブロの「ちょっと子育て心理学」(http://ameblo.jp/la-camomille/)にて発信中。

(漫画:さいとうひさし)