「時って減るものなのに、減る感覚のある時計はなんで無いんだろう」
MIERUE Lab.代表の小豆澤 宏次(あずきざわ ひろつぐ)に浮かんだ一つの疑問から生まれた、アナログ時計やデジタル時計とは全く異なる新しい時計『MIERUE(ミエル)』。その”時計の再発明”とも言える革新的なプロダクトがどのように誕生したかを代表の小豆澤本人にインタビューしました。
【プロフィール】
小豆澤 宏次(あずきざわ ひろつぐ)
1976年5月3日生まれ。島根県出雲市出身。同志社大学経済学部卒業後、ジャズミュージシャンとして渡米。
2003年に日本に帰国後、音楽雑誌の編集部勤務を経て、株式会社児童英語研究所にて英語教材のオンライン事業に携わりながら、2019年にWEB制作会社「HITORIBI WEB」を起業。2021年に、時の価値を伝えるプロジェクト「MIERUE Lab.」を発足し、2023年6月10日、同団体の初めてのサービスである『MIERUE』をローンチ。
【MIERUE(ミエル)について】
2023年6月10日(土)の「時の記念日」にMIERUE Lab.は、アナログ時計やデジタル時計と異なる新しい時の見方を提供するiPhone向け時計アプリ、『MIERUE』を提供開始しました。『MIERUE』は、ユーザーそれぞれの時間軸における始まりと終わりの時間を設定いただくことで、残り時間を「タイムスケール」という新しい時の見方で表示します。それぞれのユーザーに対してパーソナライズされた時間を表示でき、また「タイムスケール」によって時が失われていくことを視覚的に実感しやすい設計になっています。
詳細はこちら:https://mierue.jp/
ー『MIERUE』を思いついたきっかけを教えてください。
それは2021年6月8日の早朝でした。東京の文京区にある白山通りを運転しているときに、とあるラジオを聞いていたんですけれども、その日のテーマが島根県の「仁摩サンドミュージアム」にある1年を刻む砂時計の話でした。僕は出身が島根なので、そんなのあったかなと思いながら聞いていたんですが、ふとシンプルな疑問が浮かびました。「時って減るものなのに、減る感覚のある時計はなんで無いんだろう、あったらいいのにな」って思ったんです。
ー“時が減っている感覚のある時計”がないという気づきがあったのですね。なぜそれを作ろうと思ったのでしょうか。
砂時計の話をラジオで聞く1か月ほど前、GWの時期に緊急事態宣言が発令されて、当然僕も家にいたんですけれども、周りと僕の気持ちの温度差が気になったんです。僕はその年のGWにしようと思っていたことができなくなってとても残念だったけど、当時周りで「今年できないなら、来年やればいいじゃん」って声をよく聞いたんですよ。でも「今年のGWと来年のGWは違うじゃん」と、もやもやしていたんです。そんな時にあのラジオを聞いて、もしかしたら、この時がなくなっていく感覚を持っている人と持っていない人がいるんじゃないかと思ったんです。僕は、時はなくなっていくものだと思っているけど、ある人達は、今世の中にあふれる時計が示すように、時をぐるぐる周期で戻ってくるものと思っているのではと仮定をしました。じゃあ、時が減っていく感覚を表現できる時計もあったらいいんじゃないかと思ったんです。
ーそれで『MIERUE』を作ろうと思ったのですね。では、『MIERUE』が具体的にどんなアプリかを教えてください。
『MIERUE』は、ユーザーそれぞれの時間軸における始まりと終わりの時間を設定してもらうことで、残り時間を「タイムスケール」という新しい時の見方で表示するんです。例えば受験までの残り期間や、仕事でのプロジェクトの締め切り、我が子が成人になるまでの期間などを設定すれば、ユーザーにとって意味のある時がタイムスケールで表示されるという仕組みです。
ータイマーやストップウォッチみたいなものかと思いましたがどう違うのでしょうか。
タイマーは表示されているのは残り時間だけで、経過時間は分からないっていうのがほとんどです。ストップウォッチはその逆で、経過時間は表示されるけどもちろん残り時間というものはありません。『MIERUE』は残り時間も経過時間も見えるから、自分が設定した時の中での自分の現在地がわかりやすいんです。また、海外には残り時間も経過時間も示すツールがいくつかあるんですが、タイムスケールのようなバーが、だんだん増えていくように表示されるんです。でも、『MIERUE』は時の本来の特徴を表現する時計なので、タイムスケールはだんだん減っていくように表示されます。
ー時が失われる感覚が分かりやすいようデザインされているのですね。『MIERUE』を使ったら人々や世の中はどう変わっていくのでしょうか。
これは娘がいる僕の知人の話ですが、彼にまだアプリ開発中の段階で『MIERUE』の話をしてみたんです。彼が娘と暮らせる時間があとどのくらいあるのかというのをタイムスケールで見てもらったんですよね。そうしたら彼の中で、「あとこれだけしかないのか」という衝撃があったみたいで、それで彼はもっと娘さんと過ごせるよう、テレワークができる仕事に転職しちゃったんです。人は終点が見えたときに動くんです。でも従来の時計で時を周期で見ていると、終点が意識しづらい。そこで『MIERUE』は終点を示すことで人が動くための原動力を与えられると思っています。さらには『MIERUE』には終点だけではなくて、始点もある。だからこそ、その人が歩んできた時が見えるので、それも現在の自分にとってのモチベーションになるだろうと考えています。
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