熊本市の雑居ビルの7階で、派遣社員・辰島ありささん(29)の遺体が見つかった事件。遺体が全身を布で巻かれた状態で発見されてから、1週間以上が経った。

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辰島さんの遺体が見つかったビルの前には、たくさんの花が手向けられ、「くやしい 悲しい 早く犯人がつかまりますように」といったメッセージも書かれていた。

こうした中、6月6日、現場となった雑居ビルをめぐって新たな事実が分かった。このビルのエレベーターの点検などを担当していた男性が、事件後に死亡していた。自殺の可能性もあるという。

7階に行けるエレベーターは稼働していなかった

このビルは8階建て。1階と2階が店舗と空きテナントで、3階から6階が住居、遺体が見つかった7階と上の8階は空きテナントで使われていなかった。

Q.以前は?
現場のビルの住人:
7階はカラオケ屋がありました。

Q.住人はいない?
現場のビルの住人:
エレベーターが動いてないですもん。

2012年に撮影されたグーグルマップのストリートビューを見ると、確かに「カラオケ」の看板が確認できる。

しかし現在では、7階より上の部分は、窓の手すりはさび付き、室内にはゴミが散乱していて、長い間使われていない様子が分かる。そして、この7階から上には、1階からの直通エレベーターか非常階段でしか行くことができないという。

このビルには2基のエレベーターがあり、手前(青色)は1階から6階までの住民用、奥(黄色)は7階と8階への店舗直通で、カラオケ店が閉鎖して以来、稼働していないという。では、遺体が見つかった7階にどうやって入ったのか。

「物音はしませんでしたか」ある男の姿が目撃されていた

大きな謎について、捜査関係者は「ビルの内情を知る人物による犯行の可能性がある」と指摘。一方、ビルの住人は辰島さんの行方が分からなくなった当時、“ある男”の姿を目撃していた。

ビルの住人:
このビルの定期の点検の人間みたいな感じ。制服ですかね。

Q.作業着みたいな?
ビルの住人:
うん。

午前0時~1時ごろ、1階のエレベーター付近で、作業着のようなものを着た男と言葉を交わしたという。

Q.男とは話した?
ビルの住人:
あぁ…ただこう、物音はしませんでしたかと(聞かれた)。

事件が長期化の様相を見せる中、新たに判明した事実。関係者によると、エレベーターの点検などを行う会社で、このビルを含む現場周辺のエリアを担当している男性従業員が、事件後に死亡していた。自殺の可能性もあるといい、捜査本部は今回の事件との関連について、慎重に調べを進めている。

(「イット!」6月6日放送より)