5月21日に閉幕したG7(主要7カ国)広島サミットをめぐり、岸田首相は「各国首脳に被爆の実相に触れていただき、世界の隅々に向けて発信いただいた」と成果を強調したのに対し、野党側は「被爆者からは失望の声が上がった」と厳しく追及した。

立憲民主党・泉代表「被爆者の皆さまから数々失望の声が上がった。広島ビジョンというものも出たけれども、核抑止力というのが大前提なサミットを広島で行ったのか。道筋が見えないじゃないか、こういう声たくさん出てまいりました。総理、率直にどう思いますか」

岸田首相「厳しい批判がある、こういったことも承知をしています。しかし、厳しい現実に具体的に対応することと、この未来に向けて、核兵器のない世界という理想を目指すということ、これをいかに両立させ、結びつけることができるかどうか。これが外交、あるいは政治にとって最も大きな責任ではないか」

国会では、24日、衆議院予算委員会の集中審議が開かれ、G7サミットで、核軍縮に焦点をあてた「広島ビジョン」が発表されたことをめぐり、立憲民主党の泉代表は、日本も核兵器禁止条約の締約国会議にオブザーバーとして参加すべきと訴えた。

一方、岸田首相は「核兵器国が変わらなければ、現実は変わらない」と指摘したうえで、「唯一の戦争被爆国として、現実に核兵器国をどう動かして行くのか、これが大きな責任だ」と述べた。

日本維新の会・馬場代表「この核の傘というものに対して、どういう国民に対して、これから理解を深めていくのか」

岸田首相「このわが国の現在の安全保障にとって、核抑止力を含む米国の核大抑止、これは不可欠であると認識をしています」

また「核軍縮」とアメリカの核兵器による抑止力、いわゆる「核の傘」の整合性について問われた岸田首相は、2022年8月に発表した行動計画「ヒロシマ・アクションプラン」がG7から賛同を得たとして、「このプランを具体化することで、現実と理想を結び付けていく。このロードマップを築いていきたい」と強調した。