マイナポイント申し込みは7月開始

キャッシュレス決済のポイント還元が6月末で終了するのに伴い、消費喚起をねらった新たな一大官製キャンペーン「マイナポイント」が始動する。

この「マイナポイント」は、マイナンバーカードを活用してのキャッシュレス決済での買い物やチャージで、25%という還元率が設定され、最大5000円分のポイントが付与されるというものだ。

9月から2021年3月末までの実施だが、申し込みは7月にスタートする。

必要な3つの準備ステップ

ポイントをもらうためには、いくつか準備のステップを踏まなければならない。

①「マイナンバーカード取得」
②「マイナポイント予約」
③「マイナポイント申し込み」

この3つを事前に終えておくことが必須だ。

①マイナンバーカードの取得
まず、「マイナンバーカード」を保有していなければ、その取得が必要になる。
スマホ・パソコン・郵便などで申請を行い、後日、交付通知書が届いたら、市区町村の窓口を訪れて、本人確認ののち、受け取る方式が一般的だ。

総務省HPより
総務省HPより
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申請から通知書発行までにかかる期間は、おおむね1か月とされているが、10万円給付などへの対応で忙しさを増している自治体の作業を考えると、さらに時間がかかることが予想される。

市区町村窓口で交付してもらう際は運転免許証など本人確認書類が必要で、その場で、暗証番号の設定を行う。この暗証番号はのちの作業でも必要になる。

まずはマイナンバーカードの取得が必要
まずはマイナンバーカードの取得が必要

②マイナポイントの予約
こうして「マイナンバーカード」を手に入れたら、次は「マイナポイントの予約」だ。予約は、スマホやパソコンで、「マイキーID」という、カードごとに割り当てられる専用のIDを設定することで、完了する。スマホでは、専用アプリをダウンロードし、パソコンの場合は、「ICカードリーダライタ」を使って、マイナンバーカードを読み取り、「マイキーID」を設定する。

③マイナポイントの申し込み
そして、準備の第3段階が、来月から始まる「マイナポイントの申し込み」だ。申し込みページで、利用するキャッシュレス決済手段をひとつ選択するやり方などがある。準備作業はここまで。スマホやパソコンで自力で作業できない場合に備え、7月からは、支援端末が、市区町村や郵便局、小売店舗などに本格的に設置される予定だ。

「マイナンバーカードでマイナポイント」手順(総務省HPより)
「マイナンバーカードでマイナポイント」手順(総務省HPより)

4人家族なら最大2万円分のポイント

9月以降、選んだ決済サービスでチャージや購入を行うと、利用額の25%がポイントとして付与され、その後の買い物で利用できる。1人あたりのポイント付与は最大5000円分で、2万円分のチャージや購入を行えば、上限額5000円が得られる仕組みだ。

さらに、このマイナポイントは、「子ども」も対象だ。未成年者の「マイナポイントの予約」や「申し込み」は、親など法定代理人なら手続きすることができ、子どもの分のチャージや購入を親名義の決済サービスで行って、ポイントを受け取ることが可能だ。

この場合、親と子どものマイナポイントでは、異なる決済サービスを選んでおく必要がある。4人家族なら最大2万円分のポイントがもらえることになる。

予算に計上されたのは4000万人分

ポイント原資として2020年度予算に計上されたのは、2000億円。1人が上限5000円分を利用するとして、4000万人分にあたる額が見積もられている。

総務省は、「マイナポイントの予約」が4000万人に達した場合、締め切る方向だ。

マイナンバーカードの交付枚数は、6月11日時点で、2161万3967枚。

マイナンバーカード保有者のうち、「マイナポイント予約」を完了した人は64万5109人にとどまっている。4000万人との隔たりはまだ大きいが、1週間で約8万7000人増えている。

10万円給付のオンライン申請をめぐっては、マイナンバーカードの交付や相談のため、大勢の人が窓口を訪れ、混雑する自治体もあった。「マイナンバーカード普及」という目的も担う今回の官製キャンペーンで、スムーズにポイントを受け取るためには、余裕をもって準備を進めることが必要になるかもしれない。

(執筆:フジテレビ解説委員・サーティファイド ファイナンシャル プランナー 智田裕一)

智田裕一
智田裕一

金融、予算、税制…さまざまな経済事象や政策について、できるだけコンパクトに
わかりやすく伝えられればと思っています。
暮らしにかかわる「お金」の動きや制度について、FPの視点を生かした「読み解き」が
できればと考えています。
フジテレビ解説副委員長。1966年千葉県生まれ。東京大学文学部卒業。同大学新聞研究所教育部修了
フジテレビ入社後、アナウンス室、NY支局勤務、兜・日銀キャップ、財務省クラブ、財務金融キャップ、経済部長を経て、現職。
CFP(サーティファイド ファイナンシャル プランナー)1級ファイナンシャル・プランニング技能士
農水省政策評価第三者委員会委員