コスメトレンドにも新型コロナの影響

新たな生活様式で女性のメイクにも変化の兆し…コスメのトレンドにも新型コロナの影響が現れている。

化粧品をメインに1500万件以上のクチコミが集まる日本最大級の美容口コミサイト「アットコスメ」。

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寄せられた口コミ投稿をベースに2020年上半期のベストコスメトップ10が6月11日に発表された。

リップメークアイテムやアイシャドーなど華やかな商品などがランクインする中、大賞に輝いたのは化粧水。しかもトップ10の1位から4位までをスキンケアアイテムが占めている。

「アットコスメ」を運営するアイスタイルの吉松徹郎CEOも、意外なランキング結果に驚いていた。

アイスタイル・吉松徹郎代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)
これだけスキンケアがランキングの上位を占めたのは初めてなんですね…

ちなみに去年のランキングは1位がフェイスパウダー、2位・3位が口紅で、スキンケアアイテムはトップ10内に一つもランクインしておらず、その違いは一目瞭然だ。

おうち時間が長く自分の素肌を見る機会増え・・・

アイスタイル リサーチプランナー・原田彩子さん
ベースメイクの注目は昨年から高かったんですが、スキンケアがさらに今年になって加速したという印象です

そこには、新型コロナウイルスのこんな影響があるという。

アイスタイル リサーチプランナー・原田彩子さん
家の中にいてベースメイクをしなくなったので、肌のあらなどがより目立つようになって、なんとかしなくちゃいけないと思ったり、顔を見ている時間が増えたという口コミもあるんですね。オンライン会議が増えて自分の顔を見たり、手を洗う回数が増えたので鏡を見る回数が増えたという口コミもあって…

家にいる時間が増えたことで、自分の素肌を見る機会や美容に使う時間が増えたことがスキンケア商品の人気を後押しした。

そして、影響はマスクに隠れてしまうこのアイテムも直撃。

口紅消費はマイナス41.1%と大幅減

20代女性
口紅とかチークは全く使わなくなった。半分隠れているからいいかなというのがあって…

20代女性
口紅もしてないですね。塗っても見えないし、マスクである程度保湿されているので、してないです

2019年には2位・3位含めトップ10に4つランクインしていたリップメークアイテムは、2020年は2つだけ。総務省が行った家計調査でも、口紅は去年の同じ月に比べ、3月マイナス22.2%4月マイナス41.1%と消費が大幅に落ち込んでいる。

また、WITHコロナの今、マスク着用の習慣は今後のメイクアップの流行にも変化をもたらすという。

アイスタイル・吉松代表取締役社長兼CEO
マスクをしたうえでのメイクという、また新しい文化なり流れというのが出てくるのではないかなと思います

実際、ラメを足して目元を華やかにしたり、明るい色のアイシャドーを使うなど目元を中心にマスク映えするメイク方法も出てきている。

アイスタイル リサーチプランナー・西原羽衣子さん
マスクをすることによって、目元に視線が集中する。その人の印象を目元が決定づけるようになるので、アイメイクをすごく頑張るという層と、一方であえて少し弱めてニュアンスとして少し落とす、印象が強くなりすぎないようなメイクも動きとしてあるかなと考えています

また、口紅やファンデーションは今後「マスクにつかないタイプ」のニーズが高まるとみられている。

新型コロナウイルスによる新しい生活様式が定着しつつある今、美容業界にも新しい様式が取り入れ始められている。

化粧品は対面販売からライブコマースへ

Live News αのスタジオではエコノミストの崔真淑さんにオンラインで話を聞いた。

内田 嶺衣奈キャスター
メイクに関する様々な意識の変化をみなさん感じているようでしたが、崔さんはいかがですか?

エコノミスト・崔真淑コメンテーター
わかるなあということが多かったですね。マスクで肌がこすれて荒れたり、夏はファンデーションがよれたり、とにかくスキンケアに力を入れたくなりますよね

内田 嶺衣奈キャスター
そうですね。美容の悩みはつきないなと私自身も感じます。そして崔さんは化粧品会社の社外取締役も務めていらっしゃいますが、その立場から見て今後のコスメ業界はどう変化していくとお考えですか?

エコノミスト・崔真淑コメンテーター
多くの化粧品メーカーが今まで新規のお客さんを獲得するのは対面販売、つまりオフラインが中心でした。やはり肌につけるものなので人の話をじっくり聞きたいという新規顧客のニーズがあったからだと思います。ただコロナショックによって対面販売がしにくい…でもオンラインでは少し不安ということを考慮して、ネットを介したオンラインによる対面販売ライブコマースが流行ってくるのではないかなと思っています

内田 嶺衣奈キャスター
私もインターネットで化粧品を買ったことがあるんですが、気になるのが化粧品特有の香りというのはネットだと伝わりづらい部分がありますよね

エコノミスト・崔真淑コメンテーター
そうなんですよね。そういった意味でも信頼の置けるインフルエンサーによるリアルタイムの紹介であるとか、信頼できる美容部員によるライブ配信による詳細な化粧品の説明を受けたいといったライブによる販売というのがさらに流行ってくるんじゃないかなと思っています

内田 嶺衣奈キャスター
今後マスク生活がしばらく続きそうですが、化粧品業界はどのジャンルに力を入れていくのでしょうか?

エコノミスト・崔真淑コメンテーター
エステであるとかマッサージの施術はどうかなと考える人が多くなると思います。そうすると自宅でよりスキンケアを深めたい、今化粧水をつける前にブースターという美容液が流行ってきているのでスキンケア市場がより広まっていくと思っています

内田 嶺衣奈キャスター
なるほど。新たな商機が生まれてきそうです

(「Live News α」6月11日放送分)