「テレワーク」という言葉をご存知だろうか。
今や当たり前になっているインターネットにさえ繋がっていれば、いつでも・どんな場所でも働けるというものだ。

総務省は働き方改革の一環として、このテレワークを推進しており、2017年7月24日を「テレワーク・デイ」と位置づけ、テレワークの全国一斉実施を呼びかけた結果、約950団体・6.3万人が参加した。

今年は7月23日~27日の間において「テレワーク・デイズ」を実施しており、参加数は1682団体・約30万人にも上った。

全員が自宅にいながらの会議に成功

こうした中、株式会社BONXは、自社の音声コミュニケーションシステム「BONX」を使った、会話重視の働き方「BONX WORK」を社内制度として導入。ビデオ通話でもチャットでもない、新しいワークスタイルを生み出したという。

9月に台風が直撃した際、20人以上の会社員が自宅にいながら全社会議を行い、滞りなく成功させたと発表した。それを実現させたのが、BONXという音声コミュニケーションシステムだ。

この記事の画像(5枚)

BONXは、片耳に装着するイヤフォン型のデバイスBONX Gripと、無線でつながったスマートフォンのアプリを組み合わせて使う音声コミュニケーションシステム
声を発した時だけ通信をする発話検知システムにより、バッテリーや通信量を最低限に抑える。BONXアプリを使用した際の、連続通話可能時間は約7時間だ。

業務中は繋ぎっぱなしにしておいて、必要な時だけ話しかけることができ、まるで仕事仲間と仮想空間に共にいるような状態をつくるという。
誰も発言していない時は無音状態で、自分側の環境音もオフに設定できるため、ストレスフリーに繋ぎっぱなしができる。

片耳のみで使用するため、装着していても周囲の音はしっかり聞こえる。
また、グループトーク中にスマホに着信が入った際も、ワンタップで電話に出ることが可能で、電話が終了すると自動的にグループトークに復帰する仕様になっている。生活防水・耐衝撃性も備わっており、様々なシーンで使用できる。

個人利用・業務利用の2パターンがあり、個人の場合は最大10人までのグループ通話が可能。業務利用の場合、ライト・スタンダード・プロフェッショナルのコースがあり、スタンダード以上になると、30人までの通話ができ、プロフェッショナルになると録音機能もつく。(月額料金が発生)

果たして、このシステムがこれからのビジネスシーンで実際に採用されるようになるのだろうか。株式会社BONXの鰐渕さんに詳しい話を聞いてみた。

“電話”をするほどでもないけど“会話”がいい

ーー会話重視の働き方「BONX WORK」を導入した経緯は?

弊社では、普段のやりとりはチャットを中心に行っています。しかし、顔を合わせない日が続くと微妙なニュアンスが伝わりづらい、コミュニケーション不足になる、チャットが煩雑化して追いつくのが大変などの課題も出ていました。

そうした状況の中、自社サービスのBONXがビジネスでも活用されていることを受けて、自分たちの日頃の業務にも活用できるのではないかという、社内からの提案がきっかけです。

社員同士だと「ビデオ通話や電話をするほどでもないけど、会話したほうが早い」というシーンが多くあるため、「繋ぎっぱなし」のニーズがあると考えました。

ーー周囲が騒がしくても使用は可能?

BONXアプリとの連携で動作する音声認識技術、およびノイズキャンセリングシステムを搭載しているため、ある程度の騒音がある場所でも使用は可能です。ただし人混みや、スピーカーで大音量が流れている場所など、騒音の種類によってはカットできない場合があることをご留意ください。

ーーデータ通信量はどれくらい?

BONKアプリで連続的に会話をした場合、標準的な環境での使用では1時間あたり5MB程度です。

ーー実際に、導入している企業や問い合わせは?

現在は、小売店・飲食店・工事現場などの現場作業系において、トランシーバーの代替利用を中心に、数十社で導入されています。中には働き方改革のための最新ツールとしてオフィス内で利用されているケースもあり、お客様側で新しい使い方を模索してくださっている段階です。

今回発表したBONX WORKは、最新テクノロジーに敏感なスタートアップやベンチャー企業などの方から反響があり、導入検討のお問い合わせを複数件いただいております。

ーー現状の課題は?

音声に特化したツールのため、視覚的に利便性や利用シーンを説明するのが難しく、導入検討のハードルをいかに下げるかが課題となっています。
まずは気軽に使ってみていただくことがベストだと考え、10月9日に、無料でビジネス向け機能が利用できる新プラン(ライト)を導入しました。

カラータイプは、ブラック・ホワイト・ピンク・グリーンの4種類で1個入りが1万5800円(税込)、2個入りパッケージは2万9800円(税込)となっている。業務利用の場合は、イヤホン本体をレンタルすることもできる。(月額2400円)

仕事上ではもちろんのこと、気の合う友人らと遊ぶ時に装着したり、家族に持たせておいて、何かの時に備えるのもいいだろう。

プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。