「芸術家リチャード・ケロリーン」

この記事の画像(8枚)

本名リチャード・ケロル・ケロリーン(1914~1998)。ロンドン三大財閥ケロリーン家の末裔。20世紀美術史の中で一番個性的なアーティストといっても過言ではない。

8歳の頃に父親と世界一周旅行で訪れた富山県の銭湯でケロリン桶と出会った。ケロリン桶の虜になったケロリーンは、ケロリン派の芸術家として生きていくことを決めた。61歳で来日し、愛する富山を創作活動の場にした。

生涯の作品は約20万点とも言われるが、生前は一つも売れる事はなく、ケロリンを愛し続けて84歳の生涯に幕を閉じた。

以上が「芸術家リチャード・ケロリーン」についての紹介文。
もちろんすべてフィクションである

北千住の銭湯で富山をPR

銭湯でおなじみの「ケロリン桶」。
富山市の北日本新聞社は、このケロリン桶をモチーフにしたアート作品展「ケロリンミュージアム」を、東京・北千住の銭湯「タカラ湯」で10月27・28両日の10時~18時(最終入場17時30分)に開催すると発表した。入場は無料。イベント当日は銭湯で入浴はできないという。

そして開催にあたって用意されたのが、冒頭で紹介した芸術家の壮大なフィクションのストーリーだ。
「銭湯の日」である10月10日には、ミュージアムのコンセプトムービーを公開した。4分近い力作で、もちろん芸術家ケロリーンが主役だ。

映像を見ると、実際にケロリーンという芸術家がいたのでは?と思わせるほど、作りこまれている。

今回のイベントは銭湯で富山県を盛り上げる「富山×銭湯PROJECT」の一環。
ケロリンミュージアムの発表資料によると、富山県は人口当たりの銭湯数や入浴時間の長さが、全国トップクラスだという。

富山県を銭湯でPRすべく、リチャード・ケロリーンの代表作でもあり、2024個ものケロリン桶を使用した「ケロリンピラミッド」をはじめ、初期から晩年までの名作が多数展示される。中には幻の「ホワイトケロリン」もあるそうだ。

銭湯で開催されるこのミュージアムで芸術の秋を感じ、富山県や銭湯への興味をもってほしいと語る、北日本新聞社の中島剛史さんに話を聞いた。

北千住は銭湯の“ゴールデントライアングル”

ーー「富山×銭湯PROJECT」とは?プロジェクト誕生のきっかけは?

富山県は、人口あたりの銭湯件数や入浴時間などの指標が全国でもトップクラスであったり、都内の銭湯経営者やルーツの多くが富山県はじめ北陸出身者が多いとされているなど、お風呂好きとされています。

そのような背景の中、富山県と銭湯のつながりを全国に発信する目的で、昨年からこのプロジェクトを始めました。
昨年は11月26日(いい風呂の日)に合わせ、FUROjectionTOYAMApping(風呂ジェクション富山ッピング)を企画。都内の銭湯をプロジェクションマッピングしました。

今年は第2弾としてケロリンミュージアムを実施。銭湯の桶としてなじみのあるケロリン桶のケロリンは、富山県の内外薬品(現:富山めぐみ製薬)の頭痛薬です。このケロリン桶を使用してアート作品を展示してみたら面白いのではないか。そういった着想から今回の企画がスタートしました。


ーーなぜ富山のPRを北千住で?

名銭湯が集中する北千住一帯は銭湯の「ゴールデントライアングル」と呼ばれています。そして、その中心にあるタカラ湯が、まさにゴールデントライアングルの「ピラミッド」を置くにはピッタリの銭湯ではないかということで、タカラ湯さんを選びました。

ーー2024個使用したという、ケロリンピラミッドの制作にはどれくらいかかった?

2024個を並べるのに、5時間かかります。


ーー作品はどれくらい展示する?男湯・女湯ともに開放?

40点以上展示する予定で、コンセプトムービーにある作品以外にも多数準備しています。男湯・女湯だけでなく脱衣所や休憩所などすべてを解放して、銭湯全体を美術館にします。

リチャード・ケロリーン誕生の理由

ーーリチャード・ケロル・ケロリーンはどうやって生まれた?

ケロリンミュージアムを展開するにあたり、アート面を先行して制作しておりましたが、その過程で、すべての作品を1人の男が作ったいう架空物語があればより楽しんでいただけるのではと思い、企画しました。

ネーミングはそのまま、「ケロリン」からケロリーンにしております。
彼の物語含めた全体をアートとして感じていただきたいです。なお、モデルに特定の人物はいません。様々なアーティストをイメージして作り上げました。


ーー幻のホワイトケロリンとは?

ケロリン桶といえば、現在の“黄色い桶”が思い浮かぶと思いますが、約50年前の発売初年度にケロリン桶が登場した当初は“白い桶”でした。現在ではすっかり目にかかる機会はありませんが、今回富山めぐみ製薬(旧:内外薬品)さんのご協力で白いケロリン桶を展示させていただく予定にしています。

銭湯で子供が蹴飛ばしても、腰掛けにされてもビクともしないケロリン桶は、驚異的な強さから、別名「永久桶」とも呼ばれているそうだ。

芸術の秋、銭湯でミュージアムという、一風変わった体験をしてみるのはいかがだろうか。