警察官だと信じていたのに…。婚約した相手の職業は全くの嘘だった。制服と警察手帳を見せて…巧みな手口を取材した。
婚約者はニセ警察官 被害女性が語る
被害者:
全部嘘やったんやっていうのが…悔しい
関西テレビの取材に応じてくれた大阪市出身の34歳の女性。

結婚を約束していたのが、吉川剛司容疑者(36)だ、女性から現金をだまし取った疑いで逮捕された。女性はおよそ4年の間、吉川容疑者が警察官だと信じていた。
そのワケは、「警察手帳」にある。一見すると本物に見える警察手帳。「警視正・吉川剛司」と記載されている。

女性は吉川容疑者とマッチングアプリで出会い、その後交際に発展。吉川容疑者は、警察庁のキャリアで、今は大阪府警の警備部に出向中だと説明していた。

被害者:
G20の大阪サミットがあった時に警備の責任者になった。警備中にこんな事故が起きてしまったとか関係者じゃないと知らないような話を私にしてきていた
SNSのメッセージではこんなやり取りが…。
吉川剛司容疑者:
捜査会議張り切りすぎて早く着きすぎた

被害者:
はやー!めっちゃ気合入ってるやん
テレビ電話で話す際や、自宅と思われる場所にいても制服姿…。
被害者:
私の実家にも制服で来たり、いろんな警察の装備品をたくさん持っていたりしたので、私の周りに警察官がいないからそうなんだと思って信じて疑わなかった
しばらく経って吉川容疑者は女性にプロポーズ。
結婚に向けて準備を進めていましたが、そんな中で吉川容疑者からお金の相談があった。

被害者:
公安の捜査員を私的に使ったことが発覚してしまって、警察の中で左遷されて懲罰をくらうことになった。それに伴って口座を凍結されたのでお金が使えない状態になった
さらに「仕事の情報提供者への謝礼が必要」などと繰り返し嘘の話をされ、女性は吉川容疑者にこれまでに合わせて現金およそ280万円を渡してしまった。

女性は徐々に不信感を募らせ、吉川容疑者についてSNSで調べたり、友人に話を聞いたりし始めた。
すると、吉川容疑者の職業は警察官ではなくトラック運転手で、さらに別の女性と結婚していたことが判明したのだ。

女性は2月、被害届を提出。警察は10日、女性が被害を申告したうちのおよそ190万円について、詐欺容疑で逮捕した。
被害者:
今は本当に吉川が処罰されることだけを願っているという感じですね
警察は、吉川容疑者が着ていた制服が本物なのかも含めて詳しい経緯を調べている。
(関西テレビ「報道ランナー」2023年3月29日放送)