子ども3人も乗った川下りの舟が転覆し、船頭の男性1人が死亡、1人が行方不明になっている。
人気の川下りで、何が起きたのか。
保津川の川下りで…舟が座礁して転覆
28日午後1時すぎ、FNNのカメラは舟底をあらわにし、ひっくり返った1隻の舟を捉えた。

ここは、川下りで有名な京都・亀岡市の保津川。
午前11時半ごろ、川下りの事務所から「舟が1隻座礁した」と消防に通報があった。

消防などによると、舟には子ども3人を含む乗客25人と4人の船頭が乗っていて、乗客は全員陸地に避難。船頭1人が亡くなり、1人の行方が今も分かっていない。
操作ミスで船頭が川に落ち…
川下り中の事故はなぜ起きたのか。
保津川の川下りでは、舟の先頭に2人、後ろにも1人の船頭が乗る。乗客は4列に並んで座る。

船頭は慣れた手つきと会話で客を盛り上げ、もう一人の船頭は棹(さお)を使って舟が岩に当たらないように注意するという役割分担。

舟は岩場を縫うように進み、約16キロの距離を2時間ほどかけて下る。

今回の事故は、出発から15分後の「大高瀬」という急流で起きた。
事故の原因は何だったのか。
川下りを管理する組合の担当者は、船頭の操作ミスがあったことを明かした。

保津川遊船企業組合 豊田知八代表理事:
「大高瀬」という急流のところで、「空舵」といいますけれども、少し舵がすかされる操船のミスがありまして、舟の舵を持っていた船頭が舟の外へ落ちてしまったという状態が生まれました。

船頭の一人が操作ミスにより川に転落。その後、急流を抜けたところで渦に入り、石に衝突して転覆し、全員が川に落ちたという。
急流での危険性について専門家はこう指摘する。

水難学会 斎藤秀俊会長:
複雑な流れの中を操船しなければいけないというのが、急流の一つの特徴。
何かに当たって、完全にコントロールを失って転覆するプロセスというのは、急流という場所で起こりやすい。

乗客は全員無事だったが、船頭の田中三郎さん(51)が死亡し、40代の男性船頭の行方は今もわかっていない。

また、乗客のうち、女性6人が低体温症とみられる症状で病院に搬送された。

組合によると、船頭と乗客は全員、ベルトタイプの救命胴衣を着けていたという。
組合は明日の運航を中止し、事故の原因を詳しく検証していくとしている。
(「イット!」3月28日放送より)