相次ぐ地震や豪雨などの自然災害を受け、消費者庁は10月11日、災害が起きた時に慌てないよう、特に注意が必要な5項目を公表した。

消費者庁

5項目のうち3つは「事前の備え」に関するもので、1つ目は「保険契約の内容を確かめましょう。」
火災保険、自賠責などの保険は、災害時に適用可能なケースもあるため、契約内容を事前に確認するよう求めている。

2つ目は「家屋の設備の状況を確かめましょう。」
2013年4月以降、重さ15キロ以上の給湯設備は、アンカーボトルなどでの固定などの措置が求められていることを伝えている。

3つ目は「災害に強い近隣のガソリンスタンドを確かめましょう。」
地域の交通事情等で、自動車に依存せざるを得ないことも少なくないとしたうえで、災害に強いガソリンスタンドの位置を事前に確認しておくことが重要と呼び掛けている。

ライフラインが止まっても、給油や水の供給が可能なガソリンスタンドは全国に1346か所あり、場所は資源エネルギー庁のwebサイトにある「住民拠点サービスステーション一覧」で確認できるのだという。

そして、残り2項目は「災害発生後における心構え」で、1つ目は「悪質な勧誘に気を付けましょう。」
経年劣化の場合は損害保険が適用されないにもかかわらず、「保険で修繕できる」と偽って勧誘する悪質な業者が見受けられるのだという。

2つ目は「契約をめぐる状況変化に冷静に対応し、適切に行動しましょう。」
預けていたクリーニング品が大雨により流失したケースでは、クリーニング店に賠償義務は発生しない、と代表的な事例を紹介している。

いずれも重要ではあるが、消費者庁は「災害が起きた時、特に注意が必要な項目」を、なぜこの5項目に絞ったのか?
消費者庁の担当者に聞いた。

“災害に備えるきっかけ”となる5項目

――「特に注意が必要な5項目」を公表した理由は?

これまで、消費者庁では「災害に関連する主な相談例とアドバイス」をwebサイトに掲載し、消費者の方の生活再建の一助にしていただけるよう対応してきました。

実際に、これまで各地の消費生活センターに寄せられている相談についてみていると、典型的な相談への対応は掲載できているものと思われる状況にあります。

一方、北海道では今なお震度5弱の余震が発生(10月5日)するなど、災害への警戒は予断を許さない状況です。
このような状況であるため、「災害に関連する主な相談例とアドバイス」内の情報を分かりやすくお伝えすることが今後の取り組みとして必要ではないかと考え、作成しました。

≪参考≫「災害に関連する主な相談例とアドバイス」


――「特に注意が必要な項目」を、この5項目に絞った理由は?

今年6月以来の災害において、国民生活センターにおいても、消費生活相談の傾向などを取りまとめ、公表していたところ、その中では、水没した車に関する保険の相談などが目立っています。

また、損害保険に係る注意喚起も、国民生活センターで公表していて、そのような直近の状況を踏まえております。

他方で、そうした保険の関係や借家などの契約関係などに関わるものだけということではなく、給湯施設の相談やクリーニングに関する相談のような、事業所管省庁や個別の業界団体でガイドラインなどを作成しているような分野の相談。また、広域分散型の特徴的な地域特性を有する北海道での地震発生後において、営業中のガソリンスタンドについての相談も存在したことから、いろいろなところに想像力を働かせ、災害に備えるきっかけとしてご活用いただけるよう、この5項目を選びました。


――この5項目をどのように利用してほしいと考えている?

ここに掲げたものが全てというわけではなく、また、「災害に関連する主な相談例とアドバイス」も全てを網羅しているというわけではありません。

しかし、多少とも、災害発生前から広く備える際に参考にしていただき、災害発災後の「応急復旧期」から「生活再建期」へと被災地がシフトしていくに際し、住民の皆様が落ち着いて対応される上での一助となれば幸いであると考えております。

消費者庁は5項目を示したうえで、「困ったことがあれば、一人で悩まずに消費者生活センター等へご連絡ください」としている。消費者ホットラインは、局番なしの「188」。
確かに災害への備えをやらなくてはと思いながらも、ついつい後回しになってしまいがちなのも事実。まずは事前の備えの3項目から始めてみると、いいきっかけになるかもしれない。