今治市の遺跡から仏教の経典にまつわる中世の木の札が見つかりました。当時の有力者が住んでいたと見られ、地域の歴史を知るうえで重要な発見としています。

県埋蔵物文化財センター・青木聡志調査員:
「書かれている内容としまして『大般若経六百巻』と書かれておりますので、木の札が小さい点と書かれている内容から経櫃ではないか」

この木製の札は、今治市の別名地域で進む県埋蔵物文化財センターの遺跡の調査現場で発掘。長さ約23センチ、幅9センチほどの板には「奉大般若経六百巻」、また西暦に置き換えると1546年にあたる年号が記されています。木の札は小さな穴が2つあり、経典を納める容器に打ち付けるためと考えられていて、近くに神社や寺があったと見られています。

このほか遺跡では、15~16世紀に茶の湯をたしなむ階層がいたことを示す天目茶碗や、中国大陸から渡った焼き物のかけらも見つかっています。

別名地域は、今の大山祇神社の宮司職を務めていた大祝氏が治めていたと伝わっていて、センターは「大祝氏とは言えないものの、出土している遺物の特徴や集落の形成などから、当時の非常な有力者が住んでいたといえる」と分析、別名地域の歴史を知る上で重要な発見と評価しています。

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