警視庁生活環境課は、遺伝子が組み換えられたメダカを育成、販売するなどしたとして、愛好家の男らを、カルタヘナ法違反の疑いで逮捕した。カルタヘナ法は、生態系に悪影響を与えないよう、遺伝子組み換え生物などを規制する法律。2004年に施行され、逮捕者が出るのは初めて。

逮捕されたのは、60代~70代のメダカ愛好家の男ら5人。調べによると、5人は、おととしから去年にかけて、環境大臣の承認を受けずに、遺伝子が組み換えられたミナミメダカを販売目的で運搬し、育成するなどしたとされる。

押収された遺伝子組み換えメダカ(8日午前 麹町署)
押収された遺伝子組み換えメダカ(8日午前 麹町署)
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また、遺伝子組み換えメダカの拡散に関わったとして、会社員の男ら4人についても、カルタヘナ法違反の疑いで書類送検された。

逮捕された5人のうち、埼玉県・春日部市の増田富男容疑者(67)は、メダカ販売業者。古川敏一容疑者(68)は、遺伝子組み換えメダカ20匹を千葉県・九十九里市の用水路に、放流していたという。

このメダカは、かつて大学の研究所で、ミナミメダカに、珊瑚の「イソギンチャクモドキ」の遺伝子が組み換えられたもの。遺伝子の組み換えにより、体が赤色に発光するという。

その後、遺伝子組み換えが行われた大学から、東工大の研究所に提供され、2009年、当時、学生だった男(現在35歳)が、外部に卵を持ち出したという。そして、関係者らの手に渡って拡散し、容疑者5人が育成し始めたとされる。この東工大の元学生も、きょう、書類送検された。

逮捕された愛好家の青木直樹容疑者(60)は、東京・台東区内で行われた展示販売会で「ロイヤルピングー」などと名付けて、2匹10万円で販売していた。逮捕された5人の自宅などからは、およそ1400匹の遺伝子組み換えメダカが押収された。

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