「毒りんごサブレー」って何?

山口製菓本店の山口定昭店長

福島県の蔵の町、喜多方市。
こちらの明治30年創業の老舗、山口製菓本店には、その名を聞くと思わず味を確かめたくなるモノがある。

店長の山口定昭さんがお勧めするのは、「毒りんごサブレー」。
ネーミングから不安もあるが食べてみると…美味しい!
この「毒りんごサブレー」、実は「毎日食べると体の毒を取ってくれる“毒抜きサブレー”」なのだとしている。もちろんそんな効果はないのだが…

看板には、毒りんごサブレーの上手な食べ方として、次のように書かれている。
1、頭の悪い人は頭にあててから食べると、頭が良くなります。
2、口の悪い人は口にあててから食べると、言葉がやさしくなります。
3、顔の美しい人は顔にあててから食べると、さらに美しくなります。
4、それなりの顔の人は顔にあてても、直りません。
5、毎日食べると、体の毒を取ります。それを蔵の町では、毒りんご定説といいます。

「毒りんごサブレー」誕生について、山口さんは、
「お土産にするには日持ちが条件だけど、日持ちが良いものは逆に売るのが面倒くさい。サブレーのような硬い菓子で勝負するには、やっぱり名前でないと(笑)」と語り、ネーミングありきだったと潔い。

しかし、これまでにいろいろな紆余曲折もあった。

客から「効果がない」とのクレーム

客から「効果がない」とクレームが来たり、薬事法に触れると保健所から指導が入ったり…。
対策として、パッケージに「当社の研究の結果、効果が全くないことがわかりました」のお断りシールを貼るなど、その都度、冗談を交えながら活路を見出してきた。

だからこそ30年続くロングセラー商品になったのだという。

「毒りんごサブレー」は30年続くロングセラー商品

「日本一まずいバターパン」

さらに、もう一つロングセラー商品が…
「日本一おいしいバターパン」「日本一まずいバターパン」。
一つ60円という、30年以上変わらない価格も驚きだが、こちらも名前で攻めた山口さん。

「日本一おいしいバターパン」と「日本一まずいバターパン」

さっそく「日本一まずいバターパン」を食べてみると…
「結構うまいな、あはは」とご機嫌な山口さん。
塩味を生かした滑らかなクリームをサンドした「日本一まずいバターパン」。
一方、「日本一おいしいバターパン」は、砂糖のジャリジャリとした食感を残した甘味あるクリームを使用している。

まずい方が人気!

喜多方市民に聞いてみると、「まずいパンが日本一おいしいと思う」と、まずい方が人気だった。
名前のインパクトが強くて、「まずいパン以外、何を出しても売れない」というのが最近の悩みだという。

150年前からあるバナナの木

木幡進一さん(83)

ところ変わってこちらは、南相馬市小高区。
ここの住宅には、バナナの木が!
いったい、なぜ南国フルーツが福島に?

主人の木幡進一さん(83)に聞くと、
いつからあるかは見当がつかない。おやじもわからないと言っていた。じいちゃんが旅好きで、どこからか持ってきたのかな。150年は経ってっぺな

木幡さんが物心ついたころにはすでにあったというバナナの木。
30年前、家の建て替えで一度は伐採したものの、土の中に残った株から再び生えてきたという。
真下には井戸があり、バナナの命を支えている。

80年以上、皮すら向いたことがないというバナナの中身は…。
息子の修さんも加わって身を切ってみると、
え?!ちょっと想像と全然違う。オクラだ!」

観賞用のバナナ「芭蕉」

バナナの正体を探るために、熱川バナナワニ園学芸員の清水秀男さんに聞いてみると、意外な回答が得られた。
「これは、バナナではあるけど、正しくは『芭蕉』なんです。普通のバナナは寒いところでは育たない」

これについて木幡さんは、
「じいさんから『芭蕉』というのは聞いたことがある!」

少年時代の記憶が戻ってきた木幡さん。
植えられていたのは、熱帯性の食用バナナではなくて、「芭蕉」という中国原産で日本には鎌倉時代に入ってきたといわれている観賞用のバナナだった。
見分ける決定的なポイントは「花」の色。食用バナナは紫、芭蕉は黄色。よくある間違いだという。

珍しい「芭蕉」を偶然作ってしまった

さらに驚くことに、このように実が熟すことは非常に珍しく、食べられるようになるという

「芭蕉」が食べられる条件としては、株が痛まず冬を越すことが絶対条件だが、冬は暖かい井戸水に恵まれ、交配はスズメバチが担当、そして小さいながらも実は熟している。
木幡さんは全国的に見ても非常に珍しい「芭蕉」を偶然作ってしまったということになる。

芭蕉の実は熟すと、たこさんウィンナーのようにはじけてポロッと落ちて、その後暖かい部屋で熟成させれば美味しく食べられるという。

木幡さん
「いい話聞いたな。これからは大事にしないといけないな。やってみっぺ!」

熟した芭蕉の実

松尾芭蕉の俳号は「芭蕉」から

芭蕉は、神社仏閣におめでたい花として植えられていたという。
木幡さんのおじいさんは神社巡りが好きで歩き回っていたということから、そこで株を分けてもらったのか。

最後に、豆知識をもう一つ。
松尾芭蕉が住んでいた庵に芭蕉の木が植えられたことから「芭蕉」という俳号になったのだという。

(福島テレビ)