74歳の元占い師の男らが、10代の女性を洗脳した上で、性的暴行をしようとした疑いで逮捕された。大勢の女性と同居する男は、事実上の”一夫多妻生活”を送っているという。実は、この男が逮捕されるのは、今回が初めてではなかった。
家宅捜索で”大暴れ” 額に傷
東京・東大和市に住む元占い師の渋谷博仁容疑者(74)。8日朝、警視庁東大和署から送検された容疑者の額には、大きな絆創膏が貼られていた。実は、7日早朝、警視庁捜査一課の捜査員が、家宅捜索に着手しようとしたところ、渋谷容疑者が大暴れ。


自宅のドアを開けるよう求めた捜査員に対して、クマ撃退スプレーを噴射したという。捜査員6人が負傷し、渋谷容疑者は、その場で取り押さえられて、公務執行妨害の現行犯で逮捕された。渋谷容疑者は、捜査員ともみ合いになった際、額に傷を負ったのだった。
渋谷容疑者は、去年12月12日、元妻の千秋容疑者(43)とともに、占いと称して、自宅に誘い込んだ10代の女性に対して、洗脳をした上で、性的な暴行をしようとした疑いが持たれている。
「あなたは死ぬ。私と性交するしかない」
被害者の女性は、千秋容疑者とアルバイト先が同じで、顔見知りだった。千秋容疑者が、「よく当たる占い師がいるので見てもらった方がいい」などと言って、自宅に連れて行ったという。そして渋谷容疑者が、女性に対して”洗脳”を始めたのだった。

「あなたは近々死ぬよ」「宇宙人に連れ去られて、皮をはがれて食べられる」「死を回避するには私と性交するしかない」等々。また、これらの話を信じ込ませるために、長時間に渡って、UFOなどの映像を、繰り返し見せ続けたという。
その場には、千秋容疑者も同席。「私も助けられた」などと、”洗脳”を手助けする文言を発していたとのこと。この日は何もなく、女性は、3日後に、再び渋谷容疑者と会う約束をして、バイト先に戻ったという。
「警察に言ってはダメ」被害女性に口止めまで
しかし、その後、被害者の女性が、家族や知人に相談し、事件が発覚。翌13日午前、警察署に被害を訴え出たという。渋谷容疑者は、女性に対して、「この話を他の人や警察に言ったら、助けられなくなる。だから、絶対行ってはダメ」などと口止めまでしていたのだった。

捜査一課などは、渋谷容疑者宅付近の防犯カメラ映像を解析。被害女性の証言を裏付けるなどして容疑を固め、7日、渋谷容疑者と千秋容疑者を、準強制性交未遂容疑で逮捕したのだった。前述の”大暴れ”による公務執行妨害については処分保留となった。
「渋谷博仁」「占い」「洗脳」と聞いて、ピンとくる読者も多いはず。2006年、事実上の一夫多妻生活を送っていた渋谷容疑者は、その集団生活に、女性を無理やり引き込もうとして、逮捕・起訴され、執行猶予付きの有罪判決を受けていたのだ。
女性9人と”一夫多妻”状態
渋谷容疑者は、当時も、女性に対して「君はミンチにされる。殺される。それを避けるためには、同居しなさい」などと、洗脳するような文言で、脅迫していたのだった。東大和市の自宅では、10人前後の女性と同居していた渋谷容疑者。


逮捕前、自宅内で取材に応じるなど、”一夫多妻男”として、メディアでも、大々的に取り上げられた。その渋谷容疑者だが、実は、今も、40代~70代の女性9人と同居しているという。このうちの1人が千秋容疑者だ。
同居する9人全員と結婚していて、いずれも現在は「元妻」。千秋容疑者については、2003年12月15日に結婚。その日のうちに離婚し「元妻」となっている。しかし、9人全員が、”渋谷姓”を名乗っているそうだ。
自宅には、元妻9人の他に、子どもが3人同居。合わせて13人で暮らしているという。まさか、”一夫多妻”のような集団生活が、未だに続いていたとは・・・。
容疑否認も余罪追及へ
捜査一課の調べに対して渋谷容疑者は、「被害者が自宅に来て、UFOのことなどを話したことは間違いないが、私と性交しないと助からないとは言っていない」と容疑を否認。

一方、千秋容疑者は、「被害者が家に来たことは間違いないが、この件に関しては何も話すことがないので黙秘します」と話しているという。捜査一課などは、他にも、同じような被害に遭った女性がいないか余罪を調べている。