家の修繕工事を巡り不備のある書類で契約を結んだ疑いで男3人が逮捕された。3人は火災保険より低額の工事を行い、不正に利益を得ていたとみられる。

「台風で屋根が壊れた」ことに

山崎剛容疑者(45)と稲田篤輝容疑者(31)、芦野和紀容疑者(28)の3人は、おととし7月から8月中旬までの間に、さいたま市や都内に住む男女3人の家を訪れ、屋根などの自宅の修繕工事の契約を持ちかけ、契約書に料金や時期などの記載がないまま、契約を結んだ疑いが持たれている。

任意同行される山﨑剛容疑者(45)。フードとマスクで表情は見えなかった(19日 朝霞署)
任意同行される山﨑剛容疑者(45)。フードとマスクで表情は見えなかった(19日 朝霞署)
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逮捕容疑は、特定商取引法。違法・悪質な勧誘行為などを取り締まる法律だ。山崎容疑者ら3人は、「火災保険で家の修繕ができる」「火災保険を使えば、負担なしで修繕工事ができる」などと持ちかけ、被害者に対して「台風や大雪で屋根などが壊れた」などの理由で保険を申請するよう指示していたという。

こうして、被害者が手にした保険金は5~50万円。しかし、山崎容疑者らは、その保険金の額よりも安く工事を見積もり、不正に利益を得ていたとみられている。実際に施された工事も、金額に見合わないずさんなものだったという。

被害者の声に警察動く

山崎容疑者らは犯行時、被害者らに対して、決まって同じ社名を名乗っていた。それが「株式会社 日本建物検査」だ。稲田容疑者が代表で、芦野容疑者が福岡支店長とされていたが、実態のないペーパーカンパニーだった。

逮捕された稲田篤輝容疑者(31)(19日 朝霞署)
逮捕された稲田篤輝容疑者(31)(19日 朝霞署)
逮捕された芦野和紀容疑者(28)(19日 朝霞署)
逮捕された芦野和紀容疑者(28)(19日 朝霞署)

所在地も稲田容疑者の自宅となっていた。実際は、山崎容疑者が代表を務めるコンサルティング会社に保険金が流れていたとみられている。

逮捕のきっかけとなったのは被害者たちの声だった。3人が名乗っていた「日本建物検査」について契約書面の不備や「突然来た業者と契約してしまった」といった相談が、埼玉県警や埼玉県に、複数、寄せられていたのだ。

契約書面2000件押収

相談を受け、県警は、捜査を本格的に開始。関係者への聴取や資料を押収し、調べを進めたところ、山崎容疑者ら3人の関与が浮上。今回の逮捕に至った。

山﨑容疑者と芦野容疑者は容疑を認めている。稲田容疑者は否認しているという。
山﨑容疑者と芦野容疑者は容疑を認めている。稲田容疑者は否認しているという。

調べに対し、山崎容疑者と芦野容疑者は容疑を認めた一方、稲田容疑者は「山崎容疑者の命令に従っただけ」と否認している。

山崎容疑者らは、2020年9月から、少なくとも1年以上に渡って、関東や福岡県内で同じような勧誘を繰り返していたとみられている。契約数は多数にのぼっていて、県警は契約書面を2000件近くを押収し、全容解明を進めている。

(フジテレビ社会部・埼玉県警担当 大久保裕)