住民の交流の場に…東京から移住した女性の挑戦
長野県佐久市にあるカフェが地元で話題になっているという。
そのカフェのオーナーは東京から移住してきた女性。
地元の安全安心な食材へのこだわりが評判となって、今では、近所の住民から毎日のように野菜などの持ち込みがあり、住民の交流の場にもなっている。

のどかな田園地帯の一角にある、カフェ・「ピュアプランツ」。
スナックを改装し、今年8月にオープン。ランチの時間は女性客で賑わう。
女性客からは「作った甘みではなく、自然の甘みがある」「いくらたくさん食べても重くないですね」と評判も上々だ。
看板メニューは有機野菜や無添加素材にこだわったスムージーやパンケーキ。


店主の西村直子さんは、去年4月、東京から一家4人で念願の移住を果たし、店をオープンさせた。
「こどもの食を、より良いものにしたい。それは自分の子どもに限らず。心身ともに健康な状態にしてくれるのが、オーガニックなものだと思っている」と想いを語る。
“食の安全”“移住”のきっかけは子ども

西村さんは8歳と6歳になる2児の母。子どもが生まれてから食の安全安心を考えるようになったという。
移住のきっかけとなったのも子どもだった…。

西村さんは「(娘は)東京で生まれ育ったのですが、何度かぜんそくで入退院を繰り返していて。このままではいけないなと。空気が綺麗なところ。水が安全なところ。田舎に場所を移したほうがいいのではないか」と当時を振り返る。
そこで長野市大岡地区で農家民泊を体験し、これが決め手となった。
「とにかく景観が素晴らしかった。田園風景に、川が流れていたり。そこに落ち着いて腰をかけてみたときに、こういう場所で子育てできたらいいなと」と思ったそうだ。

この日は地元の農家の田んぼでお手伝い。
西村さんは、その農家の有機栽培米をパンケーキにして提供している。

8歳の息子と6歳の娘もお手伝いに参加。西村さんは「(田んぼで)遊んでくれるだけで嬉しい。なかなかできない経験ですよね」と笑顔だ。
収穫した新米を粉にして、無添加の地粉などとあわせ、パンケーキを作る。
ふっくらふわふわのパンケーキに、地元の有機野菜などが添えられたパンケーキセット(税込1000円)。
地元産の新鮮ななたね油をつけて食べるのもお勧めとのこと。

食材のこだわりが評判に…毎日のように食材提供も
「私も移住してきてから、このなたねのおいしさにすごく驚いた。香りが豊かですよね」
オープンからわずか2ヵ月ほどだが、地元の安全安心な食材へのこだわりが評判を呼んでいる。

赤ちゃんを連れた女性客は「授乳中は特に(食を)気にしますね。体にいいものをできるだけ。子どもがいても座れる場所があったり、お店の方もあたたかく迎えてくれるので、安心して来ちゃいますね」と話す。
さらに、最近は毎日のように食材の提供があるという。

地元の女性客:
(スムージーの)おいしさを知ると、じゃ、うちのも使ってほしいってなる。
地元の女性客:
地域のみんなで作っているお店というのが楽しい。
いつのまにか、「みんなでつくる店」に・・・。
西村さんも、店を交流の場にしようと定期的に地元の店や農家が出店する「ミニマルシェ」を開くことにした。

「“素材が近い”ので、それを使わせて頂くのは、色んなコミュニケーションが生まれると思う。たくさんの方が集まる場所、イベントやったりマルシェもやるが、交流の場にもっともっとなればなと思う」
西村さんの挑戦は続く。