捜査員に囲まれながら歩く、眼鏡をかけた長髪の男。
大阪市立大学の小山尚吾容疑者(26)だ。

アメリカ大使館を狙って起こした事件に続き、東京・文京区音羽にある講談社の建物に火をつけようと敷地に侵入したとして現行犯逮捕された。
ガストーチで新聞紙に点火
事件が起きたのは、12月14日午後10時頃。

小山容疑者は講談社の敷地内にある植え込みに座り、持っていたガストーチで新聞紙に火をつけたとみられている。

この時、偶然通りかかった警察官が火に気付き、現場に近づいたところ、植え込みに座る小山容疑者を発見。建造物侵入の現行犯で逮捕した。
小山容疑者を取り押さえた警察官は、なぜ現場の前を通り掛かったのか。

小山容疑者が犯行に及んだ現場から約50メートルほど離れた場所に、警視庁大塚警察署がある。小山容疑者を取り押さえたのは大塚署の警察官で、勤務を終え、帰宅するために犯行現場の前を通った。
“手製の火薬”忍ばせ大使館へ…
小山容疑者がこの手の事件を起こすのは、今回が初めてではない。

2022年8月には、港区赤坂にあるアメリカ大使館に手製の火薬を投げ込もうとした、火薬類取締法違反の罪で略式起訴され、罰金刑を受けていた。

この事件では、アメリカ大使館の前をうろついていたところを、警戒していた機動隊員が職務質問。小山容疑者はその際、コップに入れた火薬をポケットの中に忍ばせていた。

小山容疑者が立て続けに起こした今回の事件。講談社に火をつけようとした目的については「講談社が出した出版物が気に入らない」と供述しているという。

今回の事件で、建物への延焼などはなく、けが人もいなかった。
警視庁は、犯行に至った詳しい経緯などについて、小山容疑者を厳しく追及している。
(「イット!」12月15日放送)