(「インユース」のオウンドメディアでは、暮らしのなかで履かれているムーンスターの写真を集めている)



1873年に創業したシューズメーカー、ムーンスター。この名前を聞くと、子どものころに履いていた上履きを思い出す方も多いのではないだろうか。ムーンスターの歴史は、福岡県久留米市にて座敷足袋(たび)を製造したことから始まった。戦後は布靴や長靴などを世界に輸出しながら事業規模を拡大し、ニューバランスやコンバースのライセンス生産を請け負っていた時期もある。



(ムーンスターは約100年前にゴム底地下足袋の量産を開始)



創業からまもなく150年。ゴム底の「地下足袋」の量産開始からは約100年の節目を迎え、ムーンスターは新しいプロダクトライン、「インユース(In Use)」を2022年10月20日(木)に発売した。


インユース(In Use)とは、「使用中」という意味だ。長年にわたり実用靴を生産してきたムーンスターが「インユース」に込めるコンセプトとは何か。ライフスタイル企画部の松永健太、藤希波と宝蔵寺誠に話を聞いた。


創業からまもなく150年、続けてきた品質へのこだわり。


創業以来、ムーンスターの靴作りは足袋の仕立てから始まり、学生用の上履きや介護用シューズ、厨房用シューズなど、実用的な靴を数多く生産してきた。約100年前にゴム底靴の量産を開始して以来、日本人が履きやすい靴の開発を続けている。ムーンスターが蓄積してきた日本人の足型データは約26万人分にのぼり、制作されたラスト(靴型)は16,000種類になる。


とりわけ、学生向けの靴を作ってきた歴史が、ムーンスターの高い品質の基盤となっている。


「学生用の靴を選定する際、学校関係者が重要視する点は耐久性です。3年間壊れないことが条件のひとつになります。学生は活動量が多いため、踵が減りやすかったり、破けやすかったりします。そういった課題を突き詰め、研究、改善してきたノウハウが今の品質につながっています」(松永)。


モノを大切に、長く使う時代に変わってきた


ここ数年は生活者の価値観の変化を感じているという。


「モノが安く買えて、モノが溢れる時代を経て。モノを大切に長く使うということを志向する人が増えてきました。そんな昨今、何を基準にモノを選ぶのかと言うと、やはり使い勝手の良さだと思う。そして、個々のライフスタイルに取り入れやすいことです。」(松永)。


時代の変化とともに、松永は製品への顧客の評価が変化してゆくのを感じとっていた。


「わたしたちの商品はもともと実用的なシューズが多いため、履きやすさや耐久性といった機能面を求めて購入されることが多かったです。しかしここ数年は、デザイン面をきっかけに購入された方からも機能面が評価され、『ムーンスターって、普段履きとしてかっこいいよね』というお声をいただく機会が増えました。」(松永)


(ライフスタイル企画部の松永健太)


新プロダクトライン「インユース(In Use)」とは何か


松永は創業140年の節目に「ムーンスター ファインヴァルカナイズ」を立ち上げた人物だ。このラインは国内でもごく僅かな工場において、伝統的なヴァルカナイズ製法で作られる。ソールがしなやかで柔らかく、丈夫で壊れにくく、美しいシルエットが保てるといった良さが評価されている。何よりも熟練の手仕事でしか生み出せない、精巧で美しい「作りの良さ」が魅力だ。



(ヴァルカナイズ製法のシューズは手作り工程が多く、独特な質感にファンが多い)


(MOONSTAR FINE VULCANIZED)


「ムーンスター ファイン ヴァルカナイズ」の発売から約10年。2022年の10月に新プロダクトライン「インユース(In Use)」が開始された。「In Use」という英語には、「使うこと」や「使われている」という意味がある。この言葉を選んだ背景について、松永はこう語った。


「当社の社員がよく使う言葉のひとつに、『使われてこそ価値がある』という言葉があります。ムーンスターのブランドメッセージになっている言葉です。まさにこの言葉を体現したプロダクトラインが、「インユース」です。日常に溶け込む、舞台上で役者を助ける黒衣(くろご)のような存在を目指しています」。


インユースには、これまで約150年の歴史とともに培った、日本人にとって使いやすい靴づくりのノウハウが詰まっているという。また、服装を選ばず、”何にでも合わせやすい”デザインに仕上げている。


ムーンスターらしい形、デザインのテンションが、見えてきた


ムーンスターは子どもから大人まで、また、業務用シューズからハンディキャップを持った方向けの靴まで、「すべての人」に向けたプロダクト開発を続けてきた。それぞれの用途に適したデザインや仕様の成熟度・完成度が高い一方で、必ずしもデザインは統一されていなかった。


宝蔵寺によると、創業140周年を迎えた約10年前から「今まで作り上げてきた物を整える」というデザインの手法を試み始めたのだという。


「デザインチームの中で、ムーンスターらしいかっこよさや、デザインのテンションが見えてきたタイミングでした」と、宝蔵寺は当時の空気を振り返る。これまで部門ごとに作っていた靴を、ムーンスターらしいデザインで表現し、統一したのが、「インユース(In Use)」なのだという。


プロジェクト開始時、社内での配慮が足りなかった


デザインの統一のために、乗り越えなければならない壁があった。これまで「キッズ」、「メンズ」、「レディース」、「ライフスタイル」、「スタンダード」など、複数のチームが年月をかけて作り上げてきたデザインの理論があり、統合は容易ではなかったのだ。


「各チームには、長年の歴史で培ったものづくりの理論と、自信が根付いていました。デザインについても、それぞれのプロダクトの売り場に合うように最適化されていました。いきなり、僕らがデザインの部分だけをやりますと言っても、相手に対するリスペクトが足りず、これまでのやり方を否定しているように伝わってしまいました」(松永)。


丁寧なコミュニケーションを繰り返し、各専門チームの協力を得ながら「インユース」のプロダクト開発が続けられた。




デザインのテンション=「佇まい」

「インユース」のデザインは、「ムーンスターらしさ」を随所に感じさせながら、シンプルな強さを表現している。デザインにこめられた想いについて、松永が語った。


「これまで、『靴を所有する価値観』と『使う価値感』の対比をずっと意識していました。所有することによって満足を得るという価値観も、素敵な価値観だと思っています。しかし私たちは、使うことが満足につながるような靴を作りたい。パッと遠くから見てわかる大きなロゴマークなど、独創的な個性は出さない。それでいて、なんとなくムーンスターぽいなとわかるデザインのテンション。そんなテンションを、社内では『佇まい』と呼び、意識し、ものづくりをしています」





使い心地のいいものを、長く使う


ムーンスターはシューズメーカーとしては珍しく、製品の「6ヶ月保証」を謳っている。

この保証システムは創業140周年を機に開始。当時を振り返って、この大胆な「約束」は多くの社員にとって勇気がいる決断だったという。


「品質に不安があるわけではなく、むしろ自信があった。しかし何が起こるかわからないという不安から、すぐに決断できなかった。最終的には、社内の品質基準を満たしていない初期不良を保証するという方針に落ち着いた。購入後6ヶ月以内であれば、保証している品質基準を満たしてない製品は、交換ができるんです」(宝蔵寺)。


(「インユース」を提案する新しいオウンドメディアには、「使い心地のいいものを長く使う」というメッセージが記されている)


「ムーンスターとして、売って終わりじゃなく、履いてもらって、価値を感じてもらう。そんなサービスを提供したい」と松永は続けた。現在、ムーンスターにはライフスタイルを提案する旗艦店が福岡と自由が丘に2店舗、子ども靴専門店が全国に61店舗ある。子ども靴専門店では、足の測定サービスを実施している。


「意外と、お子様は自分の足のサイズに合っていなくても、『これでいい!』と選んでしまうことも多いです。親御さんも、サイズが合っているかどうかわからない。適切なサイズを知ってもらい、心地よく履いて欲しいという想いから店舗での計測サービスを実施しています。」(藤)


(ライフスタイル企画部の藤希波)



また、各店舗でもらったお客様の声は、工場や企画部にフィードバックされ、さらなる品質改善、商品開発につなげている。


履く人を主役にし、黒衣として生活を支える「インユース(In Use)」。これからも使われてこそ価値がある靴、サービスを目指し、挑戦を続けてゆく。







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