新型コロナウイルスに立ち向かうため新たな試みを始める企業が増えている。

日本酒好きの方なら一度は聞いたことがある「生もと」造り。

多くの酒蔵では「生もと」という昔ながらの製法で蒸し米を発酵させて酒を造る。

生もと造りではなく珍しい製法で酒造りに挑戦し始めた酒蔵がある。

《福島県郡山市田村町にある老舗の酒蔵・仁井田本家》

例年だと3月までの冬の間に酒の仕込み作業は終わっていて、この時期は酒の元になる米作りの繁忙期になるはずだが、今年は新型コロナウイルスの影響で飲食店からの需要が少なくなり売り上げは去年と比べて4割減。

そこで今新たな挑戦を始めた。

十八代蔵元杜氏・仁井田穏彦さん:「これが『水もと』を仕込んでいるタンクです」

昔、夏場の酒造りの方法として確立された「水もと」という製法。

冬場の「生もと」造りは40日ほどかかるが、夏場に行う「水もと」での製法は2週間ほどで仕上がるそう。

十八代蔵元杜氏・仁井田穏彦さん:「ほとんどやっている蔵はなく、福島県には一蔵もないと思うんですけど。こういったコロナ禍の影響の中、お得意の飲食店さんも酒屋さんも自粛をしている、お客さんも家で我慢している、そういう方達に少しでも応援というか、一緒に何か新しいことにチャレンジすることで、一緒の達成感が共有できたらいいなということを思って始めました」

仁井田本家ではこの挑戦を動画で撮影しYouTubeチャンネルで世界中に発信している。

女将・仁井田真樹さん:「仁井田の水もとチャレンジという新しいチャレンジを、皆さんにオンタイムで発信していきながら見守ってもらいながら、酒作りのおもしろさを伝えたいなと思って」

この「水もと」で作る日本酒どんな味に仕上がるのか?

途中過程の酒母をろ過したものをテイスティングしてみる。

十八代蔵元杜氏・仁井田穏彦さん:「良いんじゃないですか。とってもおいしい。何かの果汁みたい」

順調に進む水もと造りの酒は、まもなく完成の時を迎える。