長野・岐阜の県境付近を震源とする地震が22日で1ヵ月になりました。震源に近い長野県松本市の上高地では、旅館の経営者が「新型コロナから巻き返したいのに心の休まる暇が無い」と困惑しています。

長野・岐阜県境周辺で先月22日から続く地震。この間、松本市安曇で最大震度4を観測するなど、震度1以上の地震は、22日夕方までに150回近くに達しました。19日には一日で最多の42回観測されました。22日も夕方までに震度1から2を観測する地震が相次ぎ、活発な状態が続いています。

芽吹きが始まり、例年なら多くの人で賑わう上高地の河童橋周辺は、新型コロナの影響もあって人の姿はまばらです。

松本市から:

「地震に関してはそんなに心配していない。コロナの方が怖い」

安曇野市から:

「夕べ泊まったら何度も揺れた。山鳴りがして揺れる感じで、ここが震源地なんだと怖かった」

上高地にある旅館は、16日に長野県民限定で再開したばかり。お盆は県外のお客も含め予約で満室になっていて、早く地震が収まって欲しいと願っています。

上高地観光旅館組合・小林清二組合長:

「やっとコロナの騒動が終わって少し落ち着いてきてほしいところで、この地震だと本当に夏の影響もあろうかと思う。(コロナと地震の)ダブルパンチで雪不足、去年の台風19号から連続している。心の休まる暇がないのが現状」

(記者リポート)

「河童橋から500メートル程歩いて来たところです。ここから先は地震の影響で土砂崩落などの危険があると注意喚起しています」

大正池や河童橋周辺に被害はありませんが、その先の梓川左岸の遊歩道には亀裂が…。直径1メートルほどの落石も。道の半分が土砂で埋まった所もあります。

穂高連峰に向かうメインルートだけに、松本市では、早く復旧したいとしていますが、それも地震が収まってからになります。

(記者リポート)

「穂高連峰の雪渓部分には地震の影響か茶色い筋が確認できます」

上高地から望む穂高連峰の残雪が汚れているのは、19日の地震で起きた雪崩の跡です。

(岳沢小屋・坂本龍志さんリポート)

「見渡す限り360度、雪崩で埋められてしまった」

当時、岳沢小屋にいた坂本龍志さんは、この時の様子を撮影していました。

岳沢小屋・坂本龍志さん:

「(これまでの地震と)全然レベルが違った。5本くらいの沢筋全て雪崩が出た。轟音とともに雪崩が始まって、それと同時に落石の音がしたり、雪崩のうちの1本が派生して、小屋のすぐ裏手まで30メートル上くらいで止まった」

今後、登山道の被害もわかってきそうです。

上高地周辺では、1998年には夏の3ヵ月間に群発地震が300回近く続きました。

今回の一連の地震は、震源が当時と重なり、規模も似ていることから、気象台では「同じように数ヵ月続く恐れがある」として注意を呼び掛けています。

新型コロナの影響で夏の山小屋の営業は不透明ですが、観光関係者は地震の1日も早い終息を願っています。