「緊張感に欠け軽率すぎるもので猛省」

記者
賭けマージャンはやったんですか?

5月21日、東京高検の黒川弘務検事長は記者の問いかけには答えず、そのまま車で自宅を後にした。

その後、黒川検事長は賭けマージャンを認め辞表を提出。法務省は、黒川氏を訓告処分とした。

検察庁のNo.2、東京高等検察庁の黒川弘務検事長に浮上した前代未聞の疑惑。

21日発売の週刊文春は、緊急事態宣言中の5月1日と13日の2度にわたり、黒川検事長が産経新聞記者の自宅で朝日新聞の元記者も含め3密状態の中、賭けマージャンに興じていたと報じた。

報道を受け、賭けマージャンということであれば賭博罪に当たるおそれもあるとして、厳正に処分するとしていた森雅子法相は…

森雅子法相:
この行為は誠に不適切というほかなく極めて遺憾です。これらの事実関係が認められたことから、黒川検事長に対し監督上の処分として訓告としました。また、さきほど黒川検事長から辞職願、辞表が提出されましたので22日の閣議で承認をいただく予定です。

辞表を提出した黒川検事長は、このあと疑惑についてコメントした。

黒川弘務検事長コメント
本日、内閣総理大臣宛てに辞職願を提出しました。この度報道された内容は一部事実と異なる部分もありますが、緊急事態宣言下におけるわたしの行動は緊張感に欠け軽率すぎるものであり猛省しています

緊急事態宣言後に計4回賭けマージャンとの証言も…

一方、マージャンに同席していた元記者に対する調査結果を公表した朝日新聞社からは新たな証言が…

朝日新聞社の調査結果として「社員は緊急事態宣言が出たあと計4回金銭を賭けてマージャンしていたことを認めました。13日は産経新聞記者と社員が数千円勝ち、産経新聞次長と黒川氏がそれぞれ負けました。1日は社員が負けたといいます」としている。

さらに4人はこの3年間で月に2~3回程度、1回につき1人あたり数千円から2万円程度の勝ち負けだったことも明らかにした。

産経新聞社も、数年前から複数回にわたって賭けマージャンをしていたことを明かし詳細な事実関係はこれから調査するとしている。

黒川検事長をめぐっては2020年1月、63歳の定年について政府が半年間の延長を閣議決定。

検察官定年延長の法案審議では、野党が「政権に近い黒川氏の定年延長を後付けで正当化するための法案だ」などと反発し今国会での成立が見送られた経緯がある。

安倍首相は21日の会見で…

安倍晋三首相:
定年延長については、これは法務省から請議をなされたところでありますが、厳正なプロセスを経て請議が出されたと、このように思っております。最終的には内閣で決定するので総理大臣として当然責任があると考えております。ご批判は真摯に受け止めたいと思っています。

会見で安倍首相は自民党内から出ている公務員の定年延長の見直し論に理解を示した。

さらに複数の政府自民党関係者は21日夜、検察官定年延長法案を含む国家公務員法改正案そのものの廃案を視野に入れていることを明らかにした。

黒川検事長の後任には黒川氏の同期で、周囲から将来の検事総長の有力候補と目されてきた名古屋高検の林真琴検事長が内定したことがわかっている。

法の番人としての正当性は保てるのか?

Live News αのスタジオでは津田塾大学の萱野稔人教授と中継をつなぎ、話を聞いた。

内田 嶺衣奈キャスター:
こちらが国家公務員の処分の種類です。懲戒処分は重い方から免職停職減給戒告の4種。それより軽い内規処分訓告文書 口頭での厳重注意の2種となりますが、今回の処分は訓告。軽い方から2番目の処分ということになります。今回の処分を萱野さんはどのように受け止めていますか?

津田塾大学・萱野稔人教授:
今回検察のナンバー2が賭博罪に問われかねない賭けマージャンをしていたわけですよね。法の番人としての検察の正当性は保てるのかという問題は出てくると思います。また先の定年延長の問題では検察の自立性を保てるのかという懸念が出されていました。今回はその自立性を脅かしかねないことが実際に行われてしまったということだと思います。法務省や検察庁はそうした組織の危機を招いているということを深刻に受け止める必要があると思います

内田 嶺衣奈キャスター:
検事長としての信頼を損なう行為であったと同時に、国民が我慢を重ねているこの時期に行う行為だったのかというところ。大きな疑問が残ります

(「Live News α」5月21日放送分)

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