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2022年4月1日、国土交通省が定めている構造要件の変更により、8ナンバーを取得できるキャンピングカーの条件が変わりました。ユーザーのニーズにより柔軟に対応できるようになったため、さまざまな車種でバリエーションあるレイアウトのキャンピングカーが楽しめるようになります。本ストーリーでは、日本RV協会の製造技術部長の浅野さん、キャンピングカービルダー 有限会社アルフレックスの竹山店長に、構造要件変更の背景や業界の今後についてお話を伺いました。


※キャンピングカーの構造要件とは?|“キャンピングカーとして登録”するために必要な装備や仕様のこと。


大きな変更点は「シンク設置個所の高さ」と「ベッド数」


――今回の構造要件の変更の内容についてご紹介ください。


浅野:今回はわかりやすく大きな変更点についてお話いたします。まずはキッチンのシンクの利用の高さです。これまではシンクの利用高さが床面から160cm以上の高さがなければなりませんでした。今回の変更を受け、シンクの高さが85cm以下であれば、シンクの利用高さが床面から120cm以上の高さを確保できれば良いと改正されました。これにより、背の低い車でもキャンピングカーとして使えるようになります。

竹山:160cmをハイエースで確保するには、スーパーロングしか選択肢がなく、コンパクトな車で対応するには天井を上げるか床面を掘るしかありませんでした。法的に問題のない範囲で床面を掘ってシンクを設置していたのですが、決して良い方法ではないなと思っていたので、160cmの壁が撤廃されたのはメリットしかない変更だと思っています。


浅野:もう1つの大きな変更点は就寝設備の数です。これまでは乗員定員の3分の1以上、端数を切り上げた数分の就寝設備を設けなければなりませんでした。乗車定員が3人以下の自動車の場合、2人以上のベッドが必要だということですね。この「切り上げ」が、今回「切り捨て」に変更となりました。乗車定員2人以下の自動車の場合、1人以上のベッドがあれば条件を満たせます。


不正防止から作られたのが従来の構造要件。時代とニーズの変化に合わせ、改正を目指した


――どのような背景があって構造要件の変更に至ったのでしょうか。


浅野:これまでの構造要件が決められた背景を説明しようとすると、1995年ぐらいまでさかのぼることになります。当時、8ナンバーだと税金が安くなるということで、8ナンバーで車検を通した車を乗用車や貨物用車両として乗っている不正事例が明るみに出てきていたんです。要するに脱税ですね。これはまずいということで、2003年に法整備化されたものがこれまでの構造要件でした。8ナンバーを取るためにはキッチン・シンク・ベッドが必要となり、サイズを含め一定のルールを設けたわけです。



その後、税制面が改善されてきたことで脱税が起こらなくなったため、当時の懸念点はなくなりました。一方、キャンピングカーユーザーのニーズにも変化が起こります。最近では、女性が1人旅で車中泊をするケースも見られるようになりましたし、旅行だけではなく災害時の避難所として利用するケースも出てきました。「大きなキャンピングカーは運転に不安があるから、できるだけコンパクトなものがいい」といった声もある。しかし、従来の構造要件のままでは8ナンバーの要件を満たせる車種に限りがあります。今のニーズに即した構造要件に変更する必要があるのではないかと思い、製造技術部長になったのを機に国交省に打診することにしたのです。


――国側にはスムーズに受け入れられたのでしょうか。


浅野:提出したデータをきちんと見ていただけ、こちらの意見を十分にご理解いただけたと感じています。ただ、検査担当が国だった昔とは異なり、今は車検をするのが独立行政法人自動車技術総合機構であるため、検査業者側にも理解をしてもらう必要があったのですが、そこが少々大変でした。


高さの変更に関していうと、これは安心安全にそう大きな影響を与えるものではないんです。移動中はシートに座っているわけで、その際は当然シートベルトを付けます。シンクを使うのは停車中ですから、高さが直接安全に影響を及ぼすことはないんです。



また、住宅と照らし合わせて考えてみると、そもそも85cm以上のシンクは存在せず、合理的ではない数字なんですね。検査機関は国の定めるルールに沿っているかどうかをチェックするのが役割ですから、最終的にはご理解をいただけ、合意に至りました。国交省の門戸を叩いたのが2021年5月の連休ごろ、合意に至ったのが2022年2月末でした。

車種・レイアウトの選択肢が広がった


――1業界企業の立場として、竹山さんはこの変更をどう受け止めていらっしゃいますか。


竹山:高さの変更もそうですが、個人的には就寝定員が変更となったのが嬉しかったですね。当社が主に扱っている8人乗りの車の場合、ベッド数が3人から2人に変わるんです。これまでも、お客様から「あまり車中泊をしないから、そんなにベッドはいらない」というご要望を受けることがあったのですが、ルールを守るために、不要であってもベッドを付けなければなりませんでした。これまでは、必ず3名以上の就寝スペースを設けなければならなかったのですが2名分だけでも良くなったため、今後は「じゃあ、最小の就寝定員でいきましょうか」とお応えできるのが嬉しいです。


浅野:キャンピングカー用、通勤・買い物用と何台も車を所持して使い分けられればいいですが、そんな人はそうそういません。シンク設置に伴う高さの変更、ベッド数の変更により、日常使いもできるサイズの車種でもキャンピングカーとして使えるようになったのが大きいですね。


――新しい構造要件となってからまだ半年と少しですが、今後どのような変化が起こると思いますか。


竹山:これまでは、ルールを守るために車内のレイアウトがほぼ固定化されていたのですが、今後はバリエーションが増えるんじゃないかと思います。今までのルールだと、シンクを設置する場所が床面を掘れるスペアタイヤ部分に限られていたんです。それが120cmで可となったことで設置場所の選択肢が広がった。各社の工夫が見られるいろいろなキャンピングカーができるんじゃないかと期待しています。



浅野:レイアウトの柔軟性が上がるのは大きいですね。就寝定員数も変わったことで、ユニークなメーカーも出てくるのではないでしょうか。なお、変更後、お客様からは選べる車種が増えたことに喜びのお声をいただいています。


あとはユーザー自身の創意工夫がしやすくなったことも挙げられますね。YouTubeで自分の車をDIYする配信を見たことがあるのですが、これまではルールをきちんと理解できていないがために、グレーなDIYになっていることを危惧していたんです。ただ、やりやすくなったとはいえ、新しいルールを守らなければ検査に通らないことには変わりありませんから、ルールに則って安心安全にDIYできるよう、情報提供をしたいと思いますね。


竹山:これまで、ハイエースの標準ボディ、なおかつ標準ルーフを扱っているメーカーさんは少なかったと思うんですよね。今回の構造要件の変更を受け、相乗効果で標準ルーフが盛り上がってくれたらいいなと個人的に思っています。


キャンピングカーユーザーの裾野の広がりにもつなげていきたい


――あらためて、本記事を通して伝えたいメッセージをお願いします。


竹山:ここ数年、キャンピングカーに興味を持つ女性が増えてきたと感じてきました。車のサイズ感への不安を口にされるお客様が多かったのですが、今後は軽自動車でも8ナンバーを取れるのだとお伝えしたいですね。


浅野:車のサイズの問題は、運転だけではなく駐車場にも関係してきました。スーパーロングは車高が2m28cmほどあるので、都市部では商業施設やマンションの駐車場に入れないことが多々あるのです。今回の変更で自分の生活スタイルやニーズに合った車をキャンピングカーとして使えるようになったので、その点をもっとアピールしていきたいですね。キャンピングカーユーザーの裾野が広がっていってくれたら嬉しいです。




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