立憲民主党の安住国対委員長が20日、怒りを込めて息巻いた。

「その人が自民党の幹部を辞めるか、自民党が与党をやめた方がいいんじゃないの」

これは自民党の世耕参院幹事長に対する発言だ。

発端となったのは、世耕氏の19日の記者会見。検察官を含む国家公務員の定年を延長する法案の今国会での成立が断念となったことを受け、世耕氏は新型コロナウイルスにより経済・雇用環境が悪化していることを踏まえ、「公務員だけ定年延長されていいのか、立ち止まってしっかり議論することが重要だ」と述べ、公務員の定年延長自体を見直す可能性を指摘したのだ。

世耕氏の会見・19日

与党の幹部が、今国会での法案成立断念直後というタイミングで、これまで推進してきたはずの公務員の定年延長自体に異論を唱えたことについて、安住国対委員長は次のように怒りを露わにした。

「自分たちで出しといて、今になって継続(審議)となったら、その法案そのものが問題だって。そんな支離滅裂なことを言う人が今まで私が経験した中で、自民党の幹部にそんな非常識な人いなかったな。恥ずかしい話だ」

さらに安住氏は、「(世耕氏の発言が)参議院の意思とかね、それが安倍さんの意思だとしたら、本当に安倍さんやめないといけないですよ、総理大臣」と述べ、与党幹部が政府提出の法案は必要なかったかのような発言をしたことについての安倍首相の責任を指摘した。そして次のように痛烈な批判を続けた。

「コロナのときにこんなに衆議院でエネルギーを費やして、国民世論を巻き込んでやってるのに、今になってこの法案で65歳の定年おかしいなんて。自民党の責任者がそんなことを言い出したら、与党をやめた方がいいですよ、統治する力がないということだから」

一方、世耕氏は会見で、「国家公務員や地方公務員だけ給料も下がらないまま、5年も定年延長されていいのか」と疑問を呈し、「それだけの仕事があるんだったら、今雇用を失った若い人や、あるいは就職氷河期のまま正社員就業できていないような人たちこそ、公務員として採用することも考えていかなければいけないのではないか」と訴えていた。

世耕氏の発言には、立憲民主党などの野党と、公務員労組も傘下に収める野党支持の団体「連合」が、公務員の定年延長自体には賛成であることをふまえ、野党と連合の関係を揺さぶる狙いがあるとの見方も指摘される。しかし、発言は野党側のさらなる怒りを買うことになった形だ。

安住国対委員長は検察庁法改正案について「初夏の陣から秋の陣へ移る」と語っていて、今国会から秋に開会が見込まれる臨時国会にかけて、SNS発の声とも連動し、徹底抗戦する構えだ。検察の独立性と統制、そして公務員の定年のあり方は、今後もさらなる議論を呼ぶことになりそうだ。

(フジテレビ政治部 大築紅葉)