ペットから人への感染は現時点では報告されていない
新型コロナウイルスの感染拡大で心配されることの1つが、人間とペットとの付き合い方だ。動物はウイルスの存在を知らずに行動するだろうし、自主的な予防対策もできない。最近では、東京大学の研究チームにより、ネコとネコの間でのウイルス感染も確認された。
こうした中、環境省が「ペットを飼っている皆さまへ」と題して、飼い主が注意すべきことなどを公式サイトで公開している。そのポイントを紹介する。
この記事の画像(5枚)まず、新型コロナウイルスの主な感染経路が、ヒトーヒト間での飛沫感染と接触感染であると考えられるとし、「ペットから人への感染は現時点では報告されていない」としている。
逆に、人からペットに感染する事例は海外で数例確認されているが、ペットが人の重要な感染源となる証拠はないとしている。
こうしたことから、ペットの世話やペットの感染防止のためにも、「人が感染しないことがいちばん大事」と呼びかけている。
飼い主がいまやるべきこと
その上で「飼い主がいま、やるべきこと」として、家族や知人などもしもの時の預かり先を決めておくこと、預かり先が見つからない場合はかかりつけの動物病院などへの相談を勧めている。
また、過度な接触を控えることや衛生管理を守ることが大切とし、犬の散歩は約2mのソーシャルディスタンスを保ち、ネコは室内飼育をするべきとしている。
そして、もし自分が感染してしまった場合は、預かり先にペットを預け、適切な治療を受けること。自宅待機を指示された場合はペットと距離をとることを勧めている。
環境省の公式サイトでは、適切な預かり先が見つからなかった場合の支援団体の連絡先や、獣医師会がまとめたペットを預ける準備のポイントにもリンクしているので、必要に応じて役立ててほしい。
このほか、災害発生時や避難生活において、ペットを守るためにできることなどを解説した、Youtubeの動画にもアクセスできる。大規模災害はいつ起こるか分からないため、この機会に見ておいても損はないはずだ。
家族同然のペットを守るためにも飼い主自身が感染しないことはもちろん、いまできる備えをしておくことで、この危機を乗り切りたい。