岸田首相は3日、召集された臨時国会で所信表明演説を行った。旧統一教会問題などを念頭に「『厳しい意見を聞く』姿勢にこそ、政治家・岸田文雄の原点があるとの初心を改めて肝に銘じる」と強調した。

岸田首相は3日行った所信表明演説で、「旧統一教会との関係について、国民の声を正面から受け止め、説明責任を果たす」とした上で、「政府としては、寄せられた相談内容を踏まえ、総合的な相談窓口を設け、法律の専門家による支援体制を充実・強化するなど、被害者の救済に万全を尽くす」と述べた。さらに、「消費者契約に関する法令等について、見直しの検討をする」と表明した。

また、先月執り行われた安倍元首相の国葬について、「厳粛かつ心のこもったものとなった」と述べた上で、「国民から頂いた様々な意見を重く受け止め、今後に活かしていく」と強調した。

岸田首相はこのように述べた上で、「『厳しい意見を聞く』姿勢にこそ、政治家・岸田文雄の原点があるとの初心を改めて肝に銘じながら、内閣総理大臣の職責を果たすべく、全力で取り組む」と強調した。

一方で、電気料金について、「急激な値上がりのリスクがある」として、「家計・企業の電力料金負担の増加を直接的に緩和する、前例のない、思い切った対策を講じる」と表明。
新たな総合経済対策として「構造的な賃上げ」を実現するため、成長分野で働くための支援に「5年間で1兆円」を投入する方針を示した。

さらに円安への対応について、「円安のメリットを最大限引き出して、国民に還元する政策対応を力強く進める」として、海外からの個人旅行再開などによるインバウンド観光の復活で、「訪日外国人旅行消費額の年間5兆円超達成を目指す」と表明した。

また、岸田首相は日本を取り巻く安全保障環境について、「抑止力と対処力を強化することは、最優先の使命」と強調し、防衛力の5年以内の抜本的強化に必要となる内容の検討や予算規模の把握と財源確保を「一体的かつ強力に進め、予算編成過程で結論を出す」と述べた。
さらに「反撃能力」を含め、あらゆる選択肢を排除しない考えを示した。

日中関係については、「様々な懸案がある」とする一方で「対話をしっかりと重ね、『建設的かつ安定的な関係』を日中双方の努力で構築していく」と述べた。
日露関係については、「ウクライナ情勢によって厳しい状況にある」と指摘した上で「領土問題を解決し、平和条約を締結する方針は堅持する」と強調した。
また韓国との関係については、「国際社会における様々な課題への対応に協力していくべき重要な隣国」とし、「日韓関係を健全な関係に戻し、さらに発展させていく必要がある」と述べた。