人気の回転ずしチェーン「かっぱ寿司」の社長が、ライバルの「はま寿司」の営業秘密を不正に持ち出した疑いで逮捕された。社長は、はま寿司の元取締役で、営業秘密は元同僚からメールで受け取っていたとみられる。

はま寿司の取締役から転職 元同僚を通じ情報不正入手か

回転ずしの代名詞“1皿100円”にこだわる「かっぱ寿司」の運営会社、カッパ・クリエイト社長の田辺公己容疑者(46)は9月30日午後4時半すぎ、警視庁の捜査員と自宅を出た。

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事件は全国304店舗を展開する「かっぱ寿司」と、全国566店舗を展開する「はま寿司」の間で起きた。田辺容疑者はライバルである「はま寿司」の営業秘密を不正に受け取った疑いがもたれている。

田辺容疑者は2021年2月、かっぱ寿司の運営会社の社長に就任。

田辺公己容疑者(2021年5月の品質宣言発表会):
かっぱ寿司は進化します!回転寿司業界一うまい寿司屋へと。

2020年11月、田辺容疑者は取締役を務めていた「はま寿司」からライバル会社「かっぱ寿司」の運営会社に転職し、顧問となった。

田辺容疑者はこの時期の前後、元同僚などを通じて、はま寿司の仕入れ価格などの営業秘密を不正に持ち出した「不正競争防止法違反」の疑いが持たれている。

営業秘密を不正に持ち出した、不正競争防止法違反の疑い
営業秘密を不正に持ち出した、不正競争防止法違反の疑い

社長逮捕のニュースを聞いたかっぱ寿司の利用客は、「社長が近々逮捕されるって聞いて、え~と思って」「いくら自分の店が大事だからといって、やっちゃいけないこと」と驚いた表情をみせていた。

はま寿司が告訴 直撃取材に田辺容疑者「ダメです」

疑惑が浮上したのは、社長就任直後の2021年7月のこと。

田辺容疑者が「はま寿司時代の同僚から営業秘密をメールで受け取った」として、はま寿司から告訴された。

FNNはその後、複数回にわたり田辺容疑者を直撃した。2021年12月には…。

Q. 取材は受けない?

田辺公己容疑者:
はい。今、警察がやっている最中なんでダメです。それは、はい、全然ダメです。

Q. お答えできない?

田辺公己容疑者:
うん。

と記者の問いかけに応えることはなかった。

また、2022年6月にも田辺容疑者に「株主にはどのように説明されましたか?」「罪の認識はありましたか?」と質問をぶつけるも反応することはなかった。

記者の問いに答えることはなかった
記者の問いに答えることはなかった

かっぱ寿司の売上高は業界4位 価格競争が激化

かっぱ寿司の売上は529億7900万円(2022年3月期)で、スシロー(2300億6700万円・2021年9月期)、くら寿司(1475億9200万円・2021年10月期)、はま寿司(1300億4200万円・2022年3月期)のトップスリーに続く業界4位。

値上げラッシュが続く中、スシローやくら寿司は10月1日からの値上げを発表している。

一方でかっぱ寿司は、9月14日から1皿100円(税込み110円)の商品を30種類追加。値上げに踏み切ることなく“100円寿司”で勝負する構えを見せていた。

かっぱ寿司の利用客(30代):
(他社が)値上げして100円のラインが少なくなったのに比べて、(ひと皿)100円のラインが多いので選びやすい。

価格競争が激しさを増す回転寿司業界。

回転寿司評論家の米川伸生さんによると、「仕入れデータなどライバル会社の営業秘密は、魚の確保が難しい中、ライバルの仕入れ先や価格が分かる重要な情報」だという。さらに事件の背景として、「かっぱ寿司は赤字が続き、社長が度々交代していたが、成果が出なかった」ことなどを挙げた。

田辺公己容疑者(2021年5月の品質宣言発表会):
かっぱ寿司ってやっぱりうまいと、全てのお客さまに感じていただきたい。これからも進化、続けてまいります。

警視庁は、田辺容疑者のはま寿司時代の部下らも逮捕し、かっぱ寿司の運営会社「カッパ・クリエイト」についても書類送検する見通し。

(イット! 9月30日放送)