東京都北区の老人ホームで92歳の女性を殺害し、札幌市内で逮捕された職員の男。逃げ続けた10日間の足取りが明らかになった。

暴行し92歳女性殺害 顔や背中にやけども

9月26日未明、警察官に連れられ羽田空港に姿を見せたのは、勤務先の介護施設で92歳の女性入所者を殺害した疑いで逮捕された菊池隆容疑者(50)。

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事件は9月15日深夜から16日未明にかけて、東京都北区の特別養護老人ホーム「浮間こひつじ園」で起きた。

92歳の入所者・山野辺陽子さんを担当していた菊池容疑者は、山野辺さんの顔などに暴行を加えるなどして殺害した疑いが持たれている。山野辺さんは顔から背中にかけて、やけどもしていた。

犯行後、施設から逃走した菊池容疑者。その10日間の詳しい足取りも明らかになっている。

何度も乗り換え北海道へ 「不審な男がいる」通報で発見

菊池容疑者はまずタクシーで渋谷区に向かい、コンビニで現金約90万円を引き出した。その後、タクシーを乗り継ぎ、都内各所を転々とする。

そして、16日午前8時半ごろ、JR亀有駅から電車で千葉県の我孫子駅に向かい、今度はタクシーで茨城県に入る。

その後、電車に乗り換え、福島県のいわき駅を経由し宮城県の仙台駅へ。さらに、午後10時前には岩手県の一ノ関駅にいる姿が確認されている。

9月17日に盛岡駅まで移動した後、新幹線に乗り換え、午前11時すぎに北海道の新函館北斗駅に到着。そこで特急に乗り換え、午後6時前に札幌駅で降りた後、行方がわからなくなった。

事態が動いたのは、事件発生から10日目となる25日午後1時すぎのこと。札幌市内の住民から「不審な男がいる」との110番通報が寄せられ、駆け付けた警察官が菊池容疑者を発見した。

行方をくらませていた菊池容疑者は、マンションの11階から屋上へ向かう非常階段で発見された。通報者の息子が、その時の菊池容疑者の様子を話した。

通報者の息子:
なんか知らない人が座りこんでて、様子見たらなんか落ち着きなくて。どうしたんですかっていう感じで声かけたら、「すぐいなくなるんで」みたいな感じで。明らかに不審者だよねっていうことで。

「バカ」と言われカッとなり…殴るだけでなく熱湯をかける

調べに対し、容疑を認めている菊池容疑者。事件直前に山野辺さんと交わしたやりとりも明らかになった。

山野辺さんから「痛い所がある」と相談された菊池容疑者。しかし、異常を見つけられずにいたところ、山野辺さんから「バカ」と言われたためカッとなり、平手で2回殴ったという。

「痛い所がある」と相談されたが異常を見つけられず。「バカ」と言われ平手で2回殴ったという
「痛い所がある」と相談されたが異常を見つけられず。「バカ」と言われ平手で2回殴ったという

すると「たたいたな、覚えておくからね」などと言われ、頭を殴るなどの暴行を加えたとみられる。

頭を殴るなどの暴行を加えたか
頭を殴るなどの暴行を加えたか

その後、山野辺さんが動かなくなると、今度は熱湯をかけたという。「気付けで起きるんじゃないかと思って、ポットのお湯をかけた」と供述している。

動かなくなった山野辺さんに熱湯をかける「気付けで起きるんじゃないかと思って」
動かなくなった山野辺さんに熱湯をかける「気付けで起きるんじゃないかと思って」

犯行後、さまざまな場所を経由して札幌まで逃走した理由については、「昔住んだり行ったことのある場所を通って、北海道で死のうと思った」などと話しているという。

介護施設は26日に会見し、事件が起きたことを謝罪。その上で菊池容疑者と他の入所者らとの間にトラブルはなかったなどと説明した。

介護施設は会見で謝罪(9月26日)
介護施設は会見で謝罪(9月26日)

警視庁は犯行に至った経緯などについて、さらに調べを進めている。

(「イット!」9月26日放送より)