9月22日、円相場は145円という24年ぶりの水準となりました。加速する「円安」に、日銀と政府はどう対応するのでしょうか。

■円安で中古ブランド品店に脚光

 中古のブランド品を扱う店は、円安が追い風となっています。熱心に服を選んでいる、アメリカからの留学生は…

【アメリカからの留学生】
「アメリカ人にとってお手頃な価格ですね、円安だから。アメリカでは1000ドルするものが、日本では500~600ドルぐらいで買える」

 これまでにない円安で、お得に買い物ができる日本。世界的な物価高の中、中古のブランド品は特に需要が高まっているということです。

【KOMEHYO 梅田店 松波之浩店長】
「海外と比べれば、新品でも安く買うことができると思うんですけれど。比較的状態がきれいな物を、定価より安く買いたいという方は増えているのではないかと思います」

 この店では、今後、円安を背景に、入国規制の緩和によるインバウンドの増加に期待を寄せています。

■円安と物価高で生活に打撃 日銀は…

 円安のさなか、私たちの生活は物価高が止まりません。
 ユニクロは、一部秋冬商品の値上げを発表。フリース商品の一部、ウルトラライトダウンジャケットやヒートテック(ウルトラウォームシリーズ)などが、1000円の大幅値上げとなっています。

 総務省が発表した8月の消費者物価指数(物の値上がり率)は31年ぶりの高い水準を記録。生鮮食品を除いた指数が、去年8月と比べて2.8パーセント上回り、12カ月連続の上昇となりました。特にエネルギー関連では、電気代が21.5パーセント、ガス代が20.1パーセント上昇するなど、全体を押し上げました。

 相次ぐ物価の高騰に加えて急激な円安が進む中、日銀が金利を上げる判断に踏み切るかどうかに注目が集まっていましたが、9月22日、日銀は金融政策を決める会合で短期金利をマイナスにし、長期金利は0パーセント程度に抑える今の大規模な金融緩和策を「維持」することを決めました。

 黒田総裁は会見で、「我が国経済はコロナ禍からの回復途上にありますが、レベルとしては、コロナ感染症前の2019年のレベルにまで達していない。金融緩和を継続することが適当であるというふうに考えています」と述べました。

 一方、9月22日未明、アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は、0.75パーセントの大幅な利上げに踏み切っていて、「円安」の加速が懸念されます。

■「円安」はなぜ進む? 家計への負担が8万円増の試算も

 24年ぶりに1ドル145円台の大台を突破した「円安」は、どこまで続くのでしょうか。ある試算では、1ドル145円が続いた場合、家庭の支出は去年比でおよそ8万円増えるとも言われています。

 円安が進んでいる背景として、アメリカでは次々と利上げを行い金利が上昇しているのに対し、日本では大幅な金融緩和で金利を低くしていることが上げられます。住宅ローンを借りるときなどは、金利が低い方が助かります。その一方で、投資家は金利の高い通貨を持つ方が利益が出るので、金利の高いドルを欲しがります、すると円の人気は落ちるわけです。ドルの価値が上がり円の価値が下がることで、「ドル高円安」になります。

 これを解消するため、日銀が金利を上げるかどうかに注目が集まっていましたが、9月22日、金融緩和の「維持」が発表されました。この決定について、関西テレビの神崎博解説員に聞きます。

ーーQ:なぜ金利を上げないんでしょうか?
【神崎博解説員】
「上げられない理由は、日本の景気が十分に回復できていないからです。政府や日銀は、金利を低い状態にして市中にお金を流したいと考えています。市中にお金を“じゃぶじゃぶにする”ことによって、例えば経営者が新しい機械を買う、新しい工場を建てる、新しい投資をする。個人なら低いローンで車を買う、家を買うなどをして、お金を使ってもらうことで景気をよくしたいんです」

(関西テレビ「報道ランナー」2022年9月22日放送)