地球規模の問題の解決を目指す「SDGs(持続可能な開発目標)」について、今週1週間お伝えする。

2022年は、気温上昇を1.5度に抑える「1.5℃の約束」というテーマで、民放とNHKなどのメディアが、気候変動へのアクションを呼びかけるキャンペーンを行っている。

SDGsでは、17の目標が2030年までに達成すべきゴールとして掲げられている。

19日のテーマは「気候変動」。
そして「海の豊かさを守ろう」。

わたしたちにとって身近な東京湾から、海藻が消えつつある。

東京湾の入り口、千葉・館山の海。

9月7日、海の中にカメラが入った。

撮影された映像を見てみると...。

安宅晃樹キャスター「色とりどりの魚が泳いでいて、南国の海のような光景が広がっています」

コバルトブルーに黄色と黒のしま模様など、カラフルな魚たちが。
イソギンチャクやサンゴの姿も確認できる。

そこは、一見すると南国の海のよう。

館山の海に潜って19年の岡本正和さんは今、海で大きな変化が起きていると指摘する。

館山 マリンスノー・岡本正和さん「テーブル系のサンゴが増えてきたのと、冬になると死んじゃうような魚が、越冬して春でも生きている」

館山近海の東京湾には、これまでも南の海の生き物が黒潮に乗って流れ着くことはあり、それ自体は珍しくなかった。

ただ、こうした生物は、冬になると海が冷たくなり、生きていくことができず、死滅していた。

ところが、温暖化にともなう海水温の上昇で、その状況が一変したという。

館山 マリンスノー・岡本正和さん「2月とかで、水温12~13度まで下がるが、ここ数年で下がらなかった年は、16~17度。(南方系の)テーブル系サンゴがここ5~6年で急激なスピードで増えている」

最近は、より熱帯地方で形成されるテーブルサンゴが、急激な広がりを見せているという。

およそ6年前に撮影された舘山の海の様子。
あたり一面に、緑色の海藻が生えているのがわかる。

今の海と比べると、その差は一目瞭然。

こうした異変は、わたしたちの食卓にも変化をもたらしている。

カネフク・渡邊勲社長「本当に海藻がないんですよ。砂漠状態。収穫量が10年前に比べて10分の1。だから当然、売り上げも10分の1」

ワカメなどの海藻は、海水温が16度以下にならないとうまく育たないため、海水温の上昇により、大きな打撃を受けている。

この会社では、一部の商品は、原材料がまったくとれないため、在庫限りや欠品の状態が続いているという。

カネフク・渡邊勲社長「きれいな海にサンゴが生い茂って、素晴らしい観光の要素だと思うが、われわれのような業者は、沖縄で今進めているような海ぶどうの養殖とかに、シフトチェンジも必要なのかなと」

今後、東京湾は、どのように変化していくのだろうか。

専門家は、東京湾が、徐々に南国化する可能性を指摘する。

国立環境研究所・熊谷直喜さん「ちょっとの温度差だけでも、陸に比べて海の方がより影響が大きい。沖縄と同様にまではならないが、近い部分はだんだんと出てくるかと思う」

地球温暖化による海水温の上昇は、身近な海の生態系に大きな影響を及ぼしている。

館山の地元の人は、ワカメなどの海藻がとれなくなってしまうと、それを餌にしているアワビなどの貝類や、ほかの生き物もとれなくなってしまうのではと、影響の拡大を心配していた。