12日のテーマは「“キーマン”に聞く! ワクチンはいつ私たちに?」。

やはり、以前の生活に戻っていくためには、治療薬、そしてワクチンができることが必要不可欠になってくる。

そんな中で11日、安倍首相は、新型コロナウイルスのワクチン開発について、国会で、「早ければ7月には治験が開始できる見込み」と言及した。

さらに、大阪府の吉村知事も「オール大阪」でワクチン開発に臨むことを宣言。

吉村知事「ワクチンの治験については、早ければ7月から開始できる」

国や自治体のトップが、治験を7月に行うと言及。

その日本中が期待を寄せるワクチン開発のキーマン、大阪府や医療機関と共同開発チームで指揮を執る、大阪大学大学院・森下竜一寄附講座教授に話を伺う。

ワクチン開発のキーマン・森下教授に伺うのは、「日の丸ワクチンの開発は今、どこまでできているのか」、「いつ、ワクチンを接種できるのか」の2点。

佐々木恭子キャスター「まず森下さん、ワクチンの開発、今どんな状況ですか?」

大阪大学大学院・森下竜一寄付講座教授「順調に進んでいます。本当に多くの企業の方が関わって、数百人の方が昼夜問わず開発に着手してもらっています」

佐々木キャスター「皆さんの士気はいかがですか?」

森下寄附講座教授「非常に高いですし、早くしないといけないということで、ゴールデンウイークも返上で、皆さん、どこの大学の方も努力されている状況です」

世界に先駆けて開発していこうという意気込みだと思うが、重要なのは「メード・イン・ジャパンであること」という点。

佐々木キャスター「森下先生、これはなぜメード・イン・ジャパンが大事なんでしょうか?」

森下寄附講座教授「世界中同時に、新型コロナの感染が起こっていますので、要するに自分の国民が最優先なんですね。そうすると、例えばアメリカですと、3億人以上の方がいらっしゃいますから、そこに打ってから日本に出すということに、どうしてもならざるを得ませんし、世界中、まずは自国のものを作ると。そういう意味では、日本で作らないと、私どもワクチンを手に入れることはできませんので、日本独自の開発が重要になります」

佐々木キャスター「風間さんは、ここまでいかがですか?」

フジテレビ・風間晋解説委員「それがやっぱり、世界の現実なんだなと思いますね。ただ接種する立場からすれば、国産であれ外国産であれ、早くて安全で安くあればいいという考え方もあると思うんです。ただ、僕らはやっぱり国産が一番安心できるじゃないですか。だから頑張ってくださいという感じですね」

期待が大きいと思うが、今、森下寄附講座教授のチームが開発しているワクチンは、従来のものとは違うという。

「DNAワクチン」と呼ばれるものだが、これはいったい、どういうものなのだろうか。

森下寄附講座教授「まずは、今回の新型コロナウイルスの絵を見ていただきたいと思います。これが新型コロナウイルスですが、実は、ウイルスが細胞に入るために重要な『スパイク』という、とげの部分なんです。これが鍵みたいなものでして、細胞の表面にある鍵穴(かぎあな)に結合すると、ウイルスが細胞に入るんです。今回は、この鍵を利用します。結局、鍵の部分の遺伝子をDNAワクチンで打つと、体の中で、とげの部分だけできるんです。そうすると、このとげに対して、抗体ができる。ウイルスと抗体が結合することで、細胞の方に入らない。こういう仕組みです」

佐々木キャスター「ウイルスが入っていないとげを、あらかじめ体に入れて、抗体を作っておくということなんですか?」

森下寄付講座教授「そうです。ですから、非常にウイルスそのものを利用するわけじゃないので、安全ですし、簡単にできるというのが、1つ特徴なんですね」

佐々木キャスター「このメリットとしては、どういうところがありますか?」

森下寄附講座教授「通常のワクチンはどう作るかと説明すると、普通は、鶏の卵で作るんですね。鶏の卵にウイルスを不活化する、あるいは弱毒化して弱くして入れます。そうすると、ウイルスを弱くするのが数カ月。鶏の卵で増やすのが、だいたい5~8カ月くらいかかる。その間に、ウイルスそのものを使いますので、弱くなっていても、元のウイルスで感染リスクがあったり、副作用が起こる。一方、今回のDNAワクチンは、ウイルスは使いませんから、製造工程の感染は起こりませんし、副作用も少ない。期間も非常に短い。遺伝子情報があればすぐ作れます。今回は20日間でワクチンの原型を作ったんですが、世界で一番早い最速だと思います」

佐々木キャスター「上田さん、ここまで聞いていると、とてもいい話が多いんですが、気になる点はありますか?」

文化人類学者・上田紀行さん「ウイルスは、変異して強毒化していくっていうことをいわれるんですが、これは外側のスパイクの部分は変わらないので、内側の遺伝情報がどう変わってもOKということですか?」

森下寄附講座教授「外側のとげの部分も変異することはあるんですが、変異すると、ウイルスそのものが細胞にくっつかなくなる。ウイルスの得ではないので、ほとんど変異は起こらないです。今回も、変異は起こってるんですが、基本的には、そのウイルスは効くと」

佐々木キャスター「デメリットなどはないんでしょうか?」

森下寄附講座教授「副作用に関しては、やってみないとわからない。全員の方に抗体ができるわけではないです。ですから、50%、60%くらいをまず目指して。もっといいものができるかもしれませんが、最適なものを作ろうと思うと1年、2年かかってしまうので、まずは、社会生活を取り戻せる形でワクチンを作るということで、ある程度スピードも重視ということです」

DNAワクチンの工程表。

3月に開発が始まって、5月には動物実験、7月には、30人程度の臨床試験を行って、9月には400~500人程度の臨床試験を行っていくという。

現在、順調にも思えるが、実は、森下寄附講座教授の中には焦りもあるという。

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「立ちはだかる“お金”と“時間” 国産ワクチン開発の“ハードル”」